RSウイルス感染症の患者 過去10年の同時期で最多に

乳幼児に肺炎などを引き起こすRSウイルス感染症の患者は今月9日までの1週間で7000人余りと過去10年間の同じ時期と比べ最も多くなっていて、国立感染症研究所は手洗いなど、対策の徹底を呼びかけています。
RSウイルス感染症は、発熱やせきなど、かぜに似た症状の出る病気で、秋から冬にかけて乳幼児を中心に流行し、初めての感染では肺炎や気管支炎を引き起こし、重症化することがあります。

国立感染症研究所によりますと、今月9日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関で新たにRSウイルス感染症と診断された患者は7273人と、前の週より1800人以上増加し、過去10年の同じ時期と比べて最も多くなっています。

また、この感染症は例年、年末頃にピークを迎えますが、その時期には来ていないにもかかわらず、過去10年で最も多かった2年前、平成26年のピーク時の8280人に迫る患者数となっています。
都道府県別では東京都が最も多く723人、次いで大阪府が559人、埼玉県が445人、神奈川県が382人などとなっていて、大都市を中心に感染が広がり、全国の44の都道府県で前の週よりも患者が増えています。

国立感染症研究所の砂川富正室長は「人口の多い関東地域の患者の増加が例年よりも早いことが患者急増の要因の1つと考えられる。ただ、流行のピークが早まっているだけなのか、それとも年末にかけて患者がさらに増加するのかについてはもう少し動向を注視する必要がある。小さな子どもや免疫が低下している人を中心にマスクの着用や手洗いなどの対策を徹底してほしい」と話しています。