10月14日 18時58分
タイのプミポン国王が亡くなったのを受け、かつて国王も訪れた名古屋市内の寺には、この地方に住むタイの人たちが訪れ、祈りをささげていました。
名古屋市千種区にある日泰寺は、明治37年に当時のタイの国王から贈られた釈迦の遺骨を安置するために建てられ、「日本とタイ」という意味で日泰寺と名付けられるなど、関係が深い寺として知られています。
プミポン国王も昭和38年に訪れ、植樹などを行ったほか、寺の関係者もしばしばタイに招かれ、国王から贈られた若い頃の国王と王妃が描かれた1メートル四方の絵画も飾られています。
国王の死去を受け、14日、境内に掲げられているタイの国旗は半旗にされ、手を合わせるタイの人たちの姿が見られました。
愛知県小牧市の自動車部品メーカーに勤めるタイ人の従業員は10人あまりのグループで訪れ、焼香したり静かに手を合わせたりしていました。
このうちの1人で20代のタイ人の女性は「国王は国民のことを考えてくださった方です。本当に残念です」と話していました。
タイに招かれ、プミポン国王と3度面会したという日泰寺代表役員の鷲見弘明さんは、昭和59年に、初めて会った時のことについて、「堂々とした体格で威厳を感じました。面会時間は当初15分の予定だったのに、日本の新しい技術をどうしたらタイに導入できるかといった私たちが答えられない質問を次々投げかけられ、面会時間は2時間にもなっていました。常に国のことを考えている方という印象でした。その一方で、その後再びお会いしたときには日本から訪れた私たちのために、サクソフォンを演奏してくださる気さくな一面もありました。亡くなったのは本当に残念です」と話していました。
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