様々な電気用図記号

 電気用図記号は、電気回路図を書く時に使う記号である。日本ではJIS C 0301が長らく使われていたが,TBT協定を遵守するためこれを廃止し,IEC 60617第2版と同一の規格として1997年と1999年の2年に分けてJIS C 0617「電気用図記号」として制定された。

 様々な電子デバイス登場したため、電気用図記号も実にさまざまである。トランジスタ、発光ダイオード、IC...。中には太陽光発電装置もある。下の電気用図記号は何を表すか? 正解は a.アンテナ b.スピーカー c.光ファイバー d.コンデンサー e.発電機 f.ブザー g.コイル h.抵抗 i.太陽光発電装置 j.トランジスタ k.発光ダイオード l.IC(集積回路) 

 この中でも20世紀の偉大な発明の一つといってよいのがトランジスタ。トランジスタがIC(集積回路)を生み、集積回路がコンピューターを生んだからだ。その発明者の一人がウイリアム・ショックレー。1956年のノーベル物理学賞を受賞者だ。



 1955年、Beckman Instruments がマウンテンビューに新たに創設した研究所をショックレー半導体研究所と名付け、ショックレーを所長に就任させた。その場所が中心となって「シリコンバレー」が形成されている。 


トランジスタの誕生

 1948年、当時の電子工業界に対して、かつてないほどの衝撃を与えたトランジスタの発明された。

 そして、まさにその時が、今日のエレクトロ時代の幕開け。その後のコンピュータをはじめとするエレクトロニクス技術の急速な発展。私たちの生活をこれほどまでに豊かにしてくれた、その貢献度を考えると、発明者のW.ショックレー、J.バーディ-ン、W.ブラッテンの3人の物理学者がノーベル賞を受賞したのは当然といえる。

 これからの発明で、トランジスタに匹敵するほどのものがあるのか、ないのか…。ともかく、それほどトランジスタは現代に大きなインパクトを与えたといえる。

 トランジスタは、当初、ゲルマニュウムという物質(半導体)で作られていた。ところが、ゲルマニュウムは約80°C程度でこわれてしまうという欠点があったため、いまでは、そのほとんどがシリコンになっている。ちなみに、シリコンなら約180°C位の熱にも耐えられる物質。

 たとえば、ラジオ。空中を伝わってきた極めて微弱な信号の強弱を拡大(増幅)して、スピーカーを鳴らす。こんな働きをするのがトランジスタの増幅作用である。

 入力信号の波形を変えずに、その電圧や電流の大きさのみを拡大しているわけだ。この場合はアナログ信号の場合でしたが、コンピュータなどで使用されるデジタル信号では、トランジスタは0と1を切り換えるスイッチの役割を果たしている。

 ICやLSIといっても結局はトランジスタの集合、その働きの基本となるのはこのトランジスタの増幅作用である。

 従来、基板上で別々に実装されていた抵抗とトランジスタに着目し、トランジスタチップに抵抗を内蔵したものが、デジタルトランジスタである。このデジタルトランジスタのメリットは、1. 実装面積の削減、2. 実装時間の削減、3. 部品点数の削減など、数多くある。

 デジタルトランジスタはロームの特許で、抵抗内蔵トランジスタは、ロームが世界で初めて開発し、特許を取得している。


トランジスタのしくみ

 トランジスタの働きを水道の機構にたとえてみると...トランジスタには3本の足がある。それぞれエミッタ、ベース、コレクタといい、ベースは水道の栓、コレクタは蛇口そして、エミッタはさしずめ配管でもというふうになる。水道の栓を小さな力(ベースへの入力信号)でコントロールする事ことで、蛇口からほとばしりでる大きな水の(コレクタに流れる電流)を調節する…。とまあ、こんなふうに考えれば身近な感じで理解できる。

 もうすこし詳しくトランジスタの増幅原理を説明する。トランジスタとはP型半導体、又は、N型半導体をサンドイッチのように挟み込んだもの。P型半導体を2つのN型半導体で挟み込んだものNPNトランジスタといい、 N型半導体をP型半導体で挟み込んだものをPNPトランジスタと呼ぶ。

 挟み込まれた半導体をベースと呼び、他の2つはそれぞれコレクタ、エミッタと呼ぶ。トランジスタとはこのベースに流れる電流をコントロール することでコレクタ、エミッタ間を流れる電流をコントロール出来る素子である。ベースに流す電流はわずかでもコレクタ、エミッタ間に流れる電流は大きく変化する。この変化する割合を電流増幅率と言い、hfe と言う記号で表現される。

 NPNトランジスタに外部からエミッタとベースの間に順方向電圧Vbを印加し、コレクタとベースの間には逆方向電圧Vcを印加します。エミッタ、ベース間に 電圧が印加されていない場合は、コレクタ、ベース間は逆電圧ですから電流は流れない。

 エミッタとベースの間はダイオードの特性と全く同じ。つまりエミッタ側のN型半導体からベースのP型半導体に向かって電子が流れ込む。 この電子はエミッタ電流となり、一部はベースの正孔と結びつき消滅した電子はベース電流となる。

 このときベース層の厚さが数十ミクロン以下であると、流れ込んだ電子のほとんどはベースとコレクタ の接合部に達する。そしてベースとコレクタの電位差によってコレクタ内に拡散しコレクタ電流となる。

 ベースに注入された電子のうち、ベース側の正孔と結びついたものはベース電流となるのだが、これはエミッタ電流の5%以内程度でほとんどは コレクタに流れ込む。ここが原理の大事なところで、ベース電流はエミッタに流れる電流の5%程度だから残りの95%はコレクタ電流ということになり、トランジスタに流れる電流の5%で残りの95%を制御するということになる。これがトランジスタの基本的な原理である。

 コレクタに流れる電流は Ic=Ie-Ib となるがコレクタ電流はエミッタ電流の0.95~0.99倍程度すからエミッタから注入された電子はベースを通り抜け コレクタに達することになる。

 一方エミッタから注入される電子の数はベースエミッタ間の電圧によって左右される。すなわちベース電流の増減でエミッタ電流が変化し 結果として、コレクタ電流の変化として現れることになる。


トランジスタの歴史

 トランジスタ (transistor) は増幅、またはスイッチ動作をする半導体素子で、近代の電子工学における主力素子である。transfer(伝達)とresistor(抵抗)を組み合わせた造語である。増幅とは何らかの信号の入力に対して、元の信号よりも大きな出力信号を得るような作用のことである。

 デジタル回路ではトランジスタが電子的なスイッチとして使われ、半導体メモリ・マイクロプロセッサ・その他の論理回路で利用されている。ただ、ICの普及に伴い、単体のトランジスタがデジタル回路における論理素子として利用されることはほとんどなくなった。一方、アナログ回路中では、トランジスタは基本的に増幅器として使われている。

 一般には実用化につながった1947-1948年の、ベル研究所による発見および発明がトランジスタの始祖とされる。1947年、ベル研究所のジョン・バーディーンとウォルター・ブラッテンは、半導体の表面における電子的性質の研究の過程で、高純度のゲルマニウム単結晶に、きわめて近づけて立てた2本の針の片方に電流を流すと、もう片方に大きな電流が流れるという現象を発見した。最初のトランジスタである点接触型トランジスタの発見である。

 ベル研究所の固体物理学部門のリーダーだったウィリアム・ショックレーは、「点接触トランジスタ」の発見に立ち会えなかったが、この現象を増幅に利用できる可能性に気づき、その後数か月間に大いに研究した。この研究は、固体による増幅素子の発明として、1948年6月30日に3人の連名で発表された。

 この3人は、この功績により、1956年のノーベル物理学賞を受賞している。点接触型トランジスタは、その構造上、機械的に安定した動作が難しい。機械的に安定した「接合型トランジスタ」は、「3人」のうち最初の発見の場に立ち会うことができなかったショックレーが発明したものだった。

 シリコンを使った最初のトランジスタは、1954年にテキサス・インスツルメンツが開発した。これを成し遂げたのは、高純度の結晶成長の専門家ゴードン・ティールで、彼は以前ベル研究所に勤務していた。ゲルマニウムは約80℃程度でこわれてしまうという欠点があったため、いまでは、そのほとんどがシリコンになっている。ちなみに、シリコンなら約180℃位の熱にも耐えられる。

 日本でも、官民で研究や試作が行われた。最初の量産は、1954年頃に東京通信工業(現ソニー)が開始し、翌1955年に同社から日本初のトランジスタラジオ「TR-55」が商品化された。その後相次いで大手電機メーカも量産を開始し、1958年あたりには主要な電機メーカーからトランジスタラジオが商品化される。このとき東京通信工業の主任研究員であった江崎玲於奈はトランジスタの不良品解析の過程で、固体におけるトンネル効果を実証する現象を発見・それを応用したエサキダイオードを発明し、1973年にノーベル物理学賞を受賞している。


参考 Nteku: トランジスタの原理


トランジスタ技術 2016年 11月号
クリエーター情報なし
CQ出版
トランジスタ技術SPECIAL 2016年 10 月号
クリエーター情報なし
CQ出版

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