大阪・ミナミの人気すし店が10月、海外からの旅行客にわさびを過剰に入れたすしを提供していたとして謝罪に追い込まれた。わさび増量のすしを出されたという韓国人客がインターネットで「わさびテロ」「差別だ」と書き込んだことがきっかけ。店側は「(中国・韓国人客からの)わさび増量の要望が多く、了解なしにサービスとして提供した。差別の意図はなかった」と説明したが、店側による真偽不明の差別的言動がネット上で流布され、日本の“民族差別”との誤解が広がりかねない状況だ。さらに、別のトラブルも重なり、韓国メディアの報道が検証を欠いたまま「大阪で嫌韓ムード拡散」と過熱し、日本の報道機関も後追いする……。もはや“空騒ぎ”ではないか。(細田裕也)
わさび騒動が起きたのは「市場ずし難波店」(大阪市中央区)。発端は、ネット上で9月からこんな書き込みが相次いだことだ。
《韓国人が嫌いな店員に、大量のわさびを入れられた》《わさびテロだ》
訴えていたのは、同店ですしを食べ不快な思いをした−という複数の韓国人旅行客だった。ネタの裏に大量のわさびが隠されたすしの写真も添付すると、「私も被害を受けた」と意見に同調する声が上がった。
こうした事態に、市場ずしをチェーン展開する藤井食品(大阪府茨木市)は10月2日、ホームページ(HP)上で「わさびなどが苦手なお客様に不愉快な思いをさせる結果となってしまった」と増量行為を認めて謝罪。ただ、経緯については「海外から来られたお客様からガリやわさびの増量の要望が非常に多いため事前確認なしにサービスとして提供した」と説明した。
謝罪を受けて国内外のメディアが速報し、騒動に火がついた。特に韓国紙の反応は大きかった。
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