「股のぞき」研究評価に驚き イグ・ノーベル東山教授
ユニークなテーマに取り組む世界の研究者に贈られる「イグ・ノーベル賞」で、今年の知覚賞を受賞した立命館大文学部の東山篤規教授(65)が29日、京都市北区の立命大衣笠キャンパスで記者会見を行った。上半身をかがめる「股のぞき」による景色の変化に関する研究が評価されたことに、「こんな内容が注目されて驚き」とユーモアを交えて喜びを語った。
東山教授は空間知覚が専門。上半身をかがめて股から風景を眺めると距離感がつかみにくくなることを証明する2006年の論文などが評価された。妻は舞鶴市出身で、東山教授も何度も宮津市の天橋立を訪れている。「特別な場所。私の研究を体感してもらうには一番ふさわしい。妻も研究内容には感心してくれた」と喜んだ。
論文執筆に約10年かけ、立命大の学生30人に協力してもらって、キャンパス内で実験を重ねた。「社会貢献は狙うものではない。おもしろいと思える研究をするのが大事」と、好奇心の大切さを強調した。
授賞式のあった米国では、市民の関心も高く街で声をかけられることもあったという。「日本での注目もびっくり。でも(10月3日からの)ノーベル賞週間までかもね」。満席の会見場を見回して笑みを浮かべた。
【 2016年09月29日 13時00分 】