蹴球探訪
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【首都スポ】ビーチバレー・石井美樹 インドアから転向 TOKYO狙う2016年10月18日 紙面から
インドアバレーボールで培ったセンスで、ビーチバレー歴わずか2年ながら日本代表になった期待の女子選手がいる。今年5月に湘南ベルマーレに加入、国内外で目覚ましい活躍を見せている石井美樹(26)だ。目標だったリオデジャネイロ五輪出場は逃したが、10月上旬には新たなパートナーを得て、4年後の東京五輪出場を目指す。 (フリージャーナリスト・辛仁夏) 早朝のひらつかビーチパーク。10面のビーチバレーコートの一角で、全身真っ黒で、髪の毛も日に焼けたようなショートボブの石井が、砂まみれになって練習していた。白いサンバイザーとサングラスに、鮮やかなピンクのブラトップと華やかなパンツのビキニを着用して目立っていた。 「ビーチバレーの第一印象は、しんどそうでやりたくないな〜でした。(14年に)卒業後、久々にあいさつに行った高校の先生に誘われたのがきっかけで、最初は遊び程度でやり始めましたが、初めて出た大会でベスト4に入ってから本気になっちゃったんです」 軽い気持ちでインドアからビーチに転向したが、直後に行われた日本代表トライアウトに受かり、いきなりブラジル代表合宿に参加できたことで、本格的に取り組み始めることになったという。それが15年1月のことだった。 その後、日本代表の補欠になった石井は、ペアを組んでいた村上めぐみ(31)=オーイング=と話し合った。「いつでも代表になれる準備だけはしようと、代表コーチがつかない中で一生懸命に練習しました」。その心意気が報われるチャンスが巡ってきた。代表2番手ペアが解散したからだ。ただ、五輪切符を懸けた今年6月のアジア大陸予選まで2カ月に迫っていた時期。「もう少し調整期間があれば良かったが、実力がまだ足りませんでした」。大きな目標だったリオの舞台には行けなかった。 そんな石井が新たに目指すのは、当然のごとく「4年後の東京五輪」。だが、今年のジャパンツアーで5勝してファイナルも制覇した相棒の村上とは、10月1〜2日のファイナルを最後にペアを解消し、3歳下の持丸結美子(松戸レガロ)と組むことになった。 「五輪を目標にして東京を狙える選手と組むことになり、実業団のパイオニアでのプレー経験があり、今年ビーチバレーに転向してきた持丸と組もうということになりました」 小2で始めたバレーは、石井にとって苦楽の両面を味わう競技だった。大和南高卒業後、Vプレミアリーグの強豪、久光製薬に加入。だが、在籍はわずか2年だけで、それから2年後にはJTでプレーするも、ここも2年でチームを離れた。 「久光を辞めた時はバレーをもうやりたくなかった。その後、普通に働いたんですが、2年くらいたつと心境が変わって、仲が良かった(元日本代表の)大友愛さんがJTにいて声を掛けてくれたので入りました。でも、やっぱり2年以上続かないんですよね(苦笑)。インドアは自由がなくて結構縛りがあって面倒なことが嫌でした」 続けて石井が「いまビーチバレーは2年たちますが…」と言ったので、「辞めたいですか?」と聞くと、「大丈夫です、大丈夫です!」と大笑いした。「バレーから離れられない人生だと思います。やっちゃうと好きなのかもしれません」。切っても切れない縁なのだろう。 8月下旬のグランドスラム大会(米国)でリオ五輪代表選手たちと対戦して自分のプレーが通用、大きな手応えをつかんだ。「東京まで4年ありますけど短いと思うので、新しいペアの相方には私の経験をしっかり伝え、1年でも早く強くなっていけたらいいです。そして、五輪に出るだけじゃなく、1勝でも2勝でも勝ってビーチバレーを盛り上げたい」と、目指す頂は高い。 ◇美樹ア・ラ・カルト▼プレースタイル(175センチの持丸との新ペア)「粘り強く拾ってチームで戦うのが私たちのチームです」 ▼ビーチとインドアの違いは?「全てが違います(笑)。最初は砂の上で跳べなくてすごく嫌になりましたし、誰かに引っ張られているのかと思うくらい走れなかった。コツをつかめてから普通に跳べるようになりました」 ▼ユニホームが水着になって…「最初は嫌で恥ずかしくて転けたくなかったのですが、いまはどう転ぼうが関係ないですし、気にしません」 ▼今後の青写真「オリンピックに出て上位を取った後は、結婚したいので、寿引退します!」 ▼大のコーヒー党「とにかくスターバックスが好きで、パワーの源。私のマイブームは『スターバックスラテのヘーゼルナッツシロップ追加』です(笑)。差し入れてくれたら、めっちゃうれしい(笑)」 <石井美樹(いしい・みき)> 1989(平成元)年11月7日生まれの26歳。横浜市出身。172センチ、59キロ。湘南ベルマーレ所属。小2でバレーボールを始め、実業団でもプレー。昨年から本格的にビーチバレーを始め、いきなり日本代表の強化指定選手になる。今年は3月のアジア選手権銅、7月の全日本女子選手権初優勝。ジャパンツアー5勝、10月のツアーファイナル制覇。家族は両親と姉3人。 ◇ 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。 PR情報
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