【BOX】山中、統一戦再熱望!2017年は「神の右」モレノとらえたジャブ軌道修正
プロボクシングWBC世界バンタム級王者・山中慎介(34)=帝拳=が、右ジャブを“神レベル”に磨き上げる。9月に国内歴代2位タイとなる11度目の防衛に成功した王者は17日、都内の所属ジムでジムワークを再開。アンセルモ・モレノ(パナマ)をKOで沈めたV11戦で、右のガードを高く上げて放つジャブに手応えを得たと明かした。代名詞は「神の左」と呼ばれる左ストレートだが、引き出しを増やして夢の統一戦に備える。
激戦でのKO決着から約1か月。山中が次なる戦いに向けて再始動した。シャドーボクシングなどで調整。脳裏にある“進化の芽”の一端を明かした。右のジャブだ。「使えるということが実戦で分かったのは大きい。練習でも意識していきたい」とレベルアップを図る考えを明かした。
モレノを倒した先月16日のV11戦。右のガードを少し高く上げてから放つジャブが相手をとらえた。「(モレノとの1戦目は)下からジャブを打っていた。向こうも前と軌道が違ったと感じていたと思う」と手応えを感じた。昨年のV9戦では2―1の僅差判定勝利だったが、1年ぶりの再戦では1度もKO負けがなく、高い防御能力から「亡霊」の異名を持つモレノを4度も倒した。
6回に左ストレートを決め、後方に吹っ飛ばして尻餅をつかせるなど、返り討ちにした。山中は「左ストレートに関しては言うことはない」と納得の表情。ただ、課題もある。4回に返しの右フックを合わされ、ダウンを奪われた。「返すならあの打ち方をしてはいけない。体に染み込ませて直す」と修正を誓った。
今月11日に34歳となった。V9、10戦は判定勝ちで「モヤモヤ感があった」と言うが「今回はそれもない。ああいう試合をして34歳を迎えられて気分が良かった。今回の試合で動けることが確認できたのが大きい」とうなずいた。この1か月間はあいさつ回りや沙也乃夫人(31)の実家がある沖縄などでリフレッシュした。次戦は来年1月頃を予定。近い将来については「(IBF同級王者)ハスキンス(英国)や(WBA同級スーパー王者)ウォーレン(米国)あたり(との対戦)は興味がありますね」と改めて統一戦を熱望した。来たるべき時に向け、飽くなき向上心で己の技を磨く。(三須 慶太)