そのむかしは、伊勢神宮にお参りする前に、二見浦の海辺で身を清めた。
「浜参宮」といい、ここには、「二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)」と、「夫婦岩」がある。
夫婦岩は全国各地にあるが、こちらの夫婦岩が、もっとも親しまれているもの。
順序が逆になったが、足を運んでみた。
お伊勢様にはたくさんのカエルと仁王様のごときエイリアン&プレデターがいたケロ!
二見浦:夫婦岩
海岸沿いの参道。
ごくシンプルなデザインの鳥居をくぐり、右にカーブしたさきに――
夫婦岩がッ!
っておいおい、夫婦岩より君のほうが気になるケロ。
とはいえ、歌川広重も描いた風景を眺めていると思うと、絵を描くものとしては、胸に来るものがある。
それにしてもカエル、たくさんいる。
この神社に祀られている、猿田彦大神の使いが、カエルなのだそう。
鳥居越しに、夫婦岩の間から昇る朝日は、神々しいこと筆舌に尽くしがたし、だろう。
時期が限られるので、カメラマン同士の醜いポジション争いが展開されそうだが。
夫婦岩よりも、ついついカエルをメインにシャッターを切ってしまう。
手水舎では、柄杓で水中のカエルに水をかけてあげる。
とにかく多い、カエル様。
しっかり夫婦岩を拝もうと思うものの、
やっぱりカエルが気になってしまう。
ん? 夫婦岩の左手にある岩、烏帽子岩(えぼしいわ)という名前らしいが……、
こ、これは!
親ガエルの背に乗っかる子ガエルでしょ!
実際、カエル岩とも呼ばれているのだそう。
長旅でお伊勢参りに訪れた人たちを、守る存在。
ぶじに帰る(カエル)、なんてダジャレが、とてもありがたく思える。
二見浦:旅館街
この近辺は古くからの旅館街で、私もこの日の宿をとった。
そして夜に散歩をしてみると――
いい感じの旅館に……
ドンッ!
ギャァ~ッ!
なんでエイリアンが!?
よく見れば、なんらかの金属パーツの集合体で造られた、現代アートだ。
左手にエイリアン、そして対面するように右手には……
ドドンッ!
プレデター!
こんなところでエイリアンvsプレデターの戦いを拝むことができるとは!
夜に突然こんなものが見えたら怖いわっ!
海外のアーティストの作品で、展示してあることに深い理由はないそうなのだが、私はかってに、「これは現代の仁王像なのだ」と解釈した。
奈良の長谷寺で仁王門が見られなかった私は、しずかに手を合わせるのであった。
*
伊勢神宮の内宮に祀られている天照大神は、太陽の神様だ。
そう考えると、この地に昇る朝日は、とてもありがたいもののような気がした。
ぜひ、見てみたい。
そして明け方。
夫婦岩まで拝みに行く元気はなかったが、宿の窓から見られることを期待し、スタンバイ。
だんだん明るくなってきた。なかなかの朝焼けである。
夫婦岩の片方が見えているのがおわかりいただけるだろうか。
その向こうから朝日が昇ることを期待。
ん?
夫婦岩の手前の防波堤みたいな所に、人が集まっている。
もしや、彼らと夫婦岩をつなぐ直線の延長線上に、日の出が?
だとしたら、私のいる場所からは、拝めない……。
ああっ……
こりゃいかん、はやり太陽は、期待よりかなり右側、山の向こうだ。
残念、そう甘くなかった。
まあ、この朝焼けも十分美しいが。
そしてお日様は、雲の向こうにお隠れになってしまいましたとさ。
おまけ
宿から徒歩圏内のお食事処「扇屋」で、ちょっと奮発していただいた扇屋定食。
右上:カキフライ&エビフライ
左下:エビマヨ
左上:伊勢エビ
中央:松阪牛のハンバーグ
ひえっ、贅沢すぎる……。
ごちそうさまでした!
(時期によって素材は多少、変化する模様)
私はいただけないが、地ビールのラベルもおしゃれだった。
古代米を使っているせいか、甘い香りがした。
以上であります。
*
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お店で食べる赤福は、お土産でもらう赤福よりも、柔らかった。
地ビールを飲み比べる旅も楽しいだろうなあ。
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