Photoshopで色を置き換える
毒をワインに!?
Photoshopは優れた画像編集ソフトです。
プロ仕様のソフトですから、画像編集に関わるあらゆる作業を効率的に行えるように作られています。
例えば、ここに毒々しい飲料水があったとします。
これをワインに変える事だってできるのです。
Photoshopを使用すれば、このような作業でも、大して難しくありません。
そこで今回は、Photoshopの色の置き換えに関わる機能を3通りご紹介したいと思います。
それぞれの方法で特徴がありますので、状況に応じて使い分けてみて下さい。
色の置き換え
置き換える基準色を読み込む
では、先ほどご紹介した、毒をワインに変える方法をご紹介したいと思います。
毒の画像は、グラスに入れる緑の液体(ポイズン)から入手できます。
画像をPhotoshopに読み込みます。
「メニューバー」の中にある「イメージ」をクリックします。
表示されたメニューの中にある「色調補正」にマウスポインタを合わせます。
更にサブメニューが表示されますので、中にある「色の置き換え」をクリックして下さい。
「色の置き換え」ダイアログが表示されます。
まずは、色を置き換える基準点となる部分をクリックします。
「色の置き換え」ダイアログ内に、白黒のプレビュー画面が表示されていると思います。
キーボードの「Ctrl」を入力すると、その間、白黒のプレビュー画面がカラーに切り替わります。
この状態で、液体の中でも、中間色を選んでクリックしましょう。
「色の置き換え」ダイアログの「カラー」が緑色に変わりました。
毒の色をワインレッドに置き換える
続いて、「置き換え」項目の中にある「色相」と「彩度」と「明度」の数値を変更し、毒の色をワインレッドに変更したいと思います。
変更した色は、「結果」の中に表示されます。
「色相」は色合いを、「彩度」は色の鮮やかさを、「明度」は色の明るさの度合いを変更します。
作例では、「色相」を「-165」に変更しました。
色の置き換え範囲を拡大する
現在の液体の状態はと言うと、緑色と紫色が混ざり合い、何ともまぁ、混沌とした状態になっています。
これは、色が置き換えられた範囲が一部分のみだからです。
そこで、「色の置き換え」の適用範囲を広げたいと思います。
今度は、「許容量」の数値を変更します。
ここを増やすと、色が置き換えられる範囲が広がります。
ただし、「許容量」の数値を増やし過ぎると、必要のない場所まで色が置き換えられてしまいます。
ですから、適度に調節をしましょう。
作例では、最大の「200」を指定しました。
許容量を最大にしたものの、液体はまだ、緑色の部分が残っています。
そこで今度は、色を置き換える基準点を追加しましょう。
「選択」の項目内にあるスポイトを、基準色を追加するスポイトに変更します。
3つに並んだスポイトの中から、真ん中のスポイトを選択して下さい。
そして今度は、「色の置き換え」ダイアログ内のプレビュー画面ではなく、カンバス内の画像をクリックします。
クリックする部分ですが、若干緑色が混じって、濃い紫色した部分をクリックします。
すると、基準色が新たに追加され、置き換えきれていなかった色までワインレッドに置き換えられました。
最後に「OK」をクリックして、「色の置き換え」ダイアログを閉じます。
色相・彩度
色を置き換える場所を限定する
「色の置き換え」機能を使った色の置き換え方法の場合、色を置き換えたい部分と似た色の部分が他にあると、意図していない場所まで色が置き換えられてしまう可能性が出て来ます。
そこで今度は、色を置き換える部分を限定する方法をご紹介したいと思います。
次に使用する画像は、現場仕事をやり終えた作業着姿の一人の若い男です。
作業員の作業着の色を、水色から茶色に置き換えてみたいと思います。
作業服を選択する
Photoshopに画像を読み込んだら、まず最初に行うのは、選択範囲の作成です。
作業員の服を選択範囲で選択しましょう。
「ツールパネル」の中から、「クイック選択ツール」を選択します。
もし、「自動選択ツール」が表示されている場合は、「自動選択ツール」を長押しして、「クイック選択ツール」を表示します。
そして、画像内をドラッグ選択します。
「オプションパネル」の設定を変更しつつ、しっかりと選択範囲を作成して下さい。
作業員の作業服が選択されました。
作業服の色を置き換える
続いて、「レイヤーパネル」下部にある「塗りつぶしまたは調整レイヤーを新規作成」をクリックします。
表示されたコンテキストメニューの中から、「色相・彩度」を選択します。
「属性パネル」が「色相・彩度」に変化します。
「色の置き換え」ダイアログの時と同様に、「色相」と「彩度」と「明度」を変更します。
度々になりますが、「色相」が色合い、「彩度」が色鮮やかさ、「明度」が明るさの度合いを表しています。
作例では、「色相」を「-180」、「彩度」を「-18」、明度を「-22」に設定しました。
これで、作業員の作業服の色が茶色に置き換えられました。
色の置き換えツール
最も手早く色を置き換える方法
最後にご紹介するのが、「色の置き換えツール」を使った、色の置き換え方法です。
最も手っ取り早い方法で画像の一部分の色だけを置き換えたい場合に、その効果を発揮します。
ただ、手軽な分だけ精密さに欠けるのが、使用上注意する点です。
実際に「色の置き換えツール」を使用しながら、紅葉の色を置き換えてみましょう。
作例として使用するのは、散る紅葉です。
紅葉の色を置き換える
Photoshopに画像を読み込んだら、「ツールパネル」の中にある「色の置き換えツール」を選択します。
もし、「色の置き換えツール」が「ツールパネル」内に表示されていない場合は、「ブラシツール」か「鉛筆ツール」、もしくは、「混合ブラシツール」を長押しし、「色の置き換えツール」を表示させてから選択して下さい。
描画色を赤色に変更します。
「描画色を設定」をクリックして下さい。
「カラーピッカー(描画色)」ダイアログが表示されます。
色を選択する際は、「カラースライダー」で色相を選択した後、「カラーフィールド」内の色を選択します。
作例では、「R」の値を「255」にしました。
続いて、「色の置き換えツール」の「オプションパネル」の値を変更します。
作例では、「サンプル」を「サンプル:一度」、「制限」を「隣接」、「許容値」を「35%」に設定しました。
この状態で右上の黄色い紅葉をドラッグすると、黄色が赤色に置き換わります。
「許容値」の設定のお陰で、塗り始めの場所の色とかけ離れた色には色が塗られません。
その為、背景に色がはみ出しにくくなっています。
まとめ
状況に応じて使い分ける
今回は、Photoshopで色の置き換えを行う3通りの方法をご紹介しました。
「メニューバー」から呼び出す色の置き換え機能を使った方法、「レイヤーパネル」から呼び出す「調整レイヤー」を使った方法、「ツールパネル」から呼び出す「色の置き換えツール」を使った方法の3通りの方法でしたが、いかがでしたか?
それぞれ一長一短ありますので、状況に応じて使い分けると良いでしょう。
個人的に多用するのは「調整レイヤー」を使った方法です。
その理由は、後から修正ができるからです。
他の部分との兼ね合いで、色の微調整が必要になった時に便利です。
今回の記事で、あなたの表現の幅を広げるお手伝いができたなら幸いです。