今まで「辞書を使いましょう」と決して言って来ませんでした。「辞書を引きながら文を読む」のはあらゆる意味でムダなので、単語暗記は単語集を高速回転法で身に付けてしまいましょう。と、伝えてきたのです。「なんだ…結局は辞書を使うのか」とがっかりされそうですが、一般に蔓延している「効率の悪い使い方」はしません。「効率の良い使い方」だけをします。今回は構文理解のために必要な辞書の工夫した使い方を紹介します。それが「知っている単語を調べる」という方法です。
前回まで「The truth that you know is important.」という例文をいかに正確に理解するかをお伝えしてきました。このときに「thatの区別(基本5つ)」がまとめて理解できていない方はこの文を正確には読めないと繰り返してきました。ではthatの区別・使い方はどこにまとめて書いてあるのでしょうか? その答えが辞書なのです。
thatは重要語でありながら単語・文法の学習の中でバラバラに出てくるので、「thatが文中に出てきたら用法が全て分かるかな?」という視点でまとめておかなければいけません。多くの人はバラバラに学習したことを一瞬で頭に整理して思い出せるほど器用ではないからです。
今「構文」として単文ごとに読んでいるのはいずれ長文も読めるようにする準備・土台です。長文をどんどん読み進めていくにはこのような重要語の用法が一瞬で頭に浮かんでその中から適したものを選び出せる力が必要です。
頭に思い浮かぶのに時間がかかっても思い出せない用法があってもいけません。そこで辞書を使って重要語を予めまとめて理解しておくのです。これが単語・熟語・文法と共に大きな武器になります。しかも必ず持たなければならない武器です。
実はこの学習法は英語に限らず使える重要なものです。例えば日本史を学習するときに一般的には時代ごとに学習を進めていきます。つまりある時代の政治・経済・文化をまとめて学習して、次の時代の政治・経済・文化を…というように進むのです。この「縦の流れ」に対して例えば「政治史だけをまとめて流れを分かりやすく理解しよう」とするのが「横の流れ」の学習です。
縦と横の学習をすることで、理解が完全なものとなるのです。縫い物をするときに縦だけでなく横も縫うことで丈夫なものが出来上がると例えられるでしょう。
さて、話を英語に戻します。重要語としてまとめておくべき単語は「中学生でも単語自体は知っている」・「様々な意味・品詞に分かれる」・「文中に頻出する」という基準で選ぶといいでしょう。具体的にはthatのほか、who・which・what・where・when・how・to・haveなどたくさんあります。これらの単語を見て一瞬で用法が多数思い浮かばない方は辞書で調べてまとめる必要があります。もちろんまとめたことに満足して終わっているようではいけません。これらの単語は文をいくつか読めば何回も出会います。
その度に、「ああ。これは代名詞の用法だ」というように確認・判断をし続けることが大切です。文が読める人はそれを自然とこなしているだけなので、この確認を一瞬で行っているのです。その域に達するまで何度もまとめたものを確認する作業が必要です。
構文学習法としてここまで概論をお伝えしてきましたが、次回はいよいよ「どのような問題集を」・「どのように使って」構文学習を進めていくのかを具体的に紹介します。お勧めの本も紹介して手取り足取りの分かりやすい内容で学習法をお伝えしますので、お楽しみにしていただければと思います。