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07:00
日本一野球が上手い球団・北海道日本ハムファイターズ!

脱帽。スッキリとシャッポを脱げるような、「負けたな」と納得できる負けでした。北海道日本ハムファイターズのパ・リーグ優勝、そして日本シリーズ進出。事実上の頂上決戦である福岡ソフトバンクホークスとのクライマックスシリーズは、ある意味でソフバンよりも日ハムに追いつくのは難しいということを感じさせる、遠い遠い世界の出来事でした。

ソフバンは強い。その想いは変わりません。環境、規模、土台としての大きさで言えば、他を圧倒している。今シーズン前半につけた最大11.5ゲームの大差は、ソフバンの土台にふさわしい力量差でした。しかし、シーズンを終えたときには優勝も日本シリーズも逃していた。まず、この状態に持ち込んだ日ハムの摩訶不思議さにおのののきます。

ソフバンが他球団との11.5ゲーム差を引っくり返すのは理解ができるのです。かつて巨人も球界の盟主として、そうした大逆転をやってのけたように。しかし、僕の小さな了見では「ソフバンに11.5ゲーム離されたらギブアップ」なのです。向こうが落ちてくるとも想像できないし、多少落ちてきたところで追いつけるとも思えない。照準はクライマックスシリーズに絞り、短期決戦へと心を向けたろうと思うのです。我が埼玉西武ライオンズが、最初から短期決戦だけを見てシーズンに臨んだように。

「オリックスが11.5ゲーム差で首位」なら、まだひと波乱あるような気もしますが、パの盟主が11.5差の首位にいるというのは十分に終わり感がある状況。どうやってここからの逆転を本気で信じられたのか。11.5が10.5になり、10.5が9.5になったところで追いつける気などするはずがないだろうに、何故その一歩ずつを真剣に追いかけられたのか。いまだにその心境には理解が及びません。

↓1番投手・大谷の初球先頭打者ホームランという奇跡があったとしても、それで逆転するなんてことはとても思わなかった!


「wwwwwwwwwwwwww」

もはや笑いの手前に言うコメントすら見つからない!

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その背景にあるのは、やはり栗山監督なんだろうと思います。チームを束ねる指揮官が、その大逆転を信じ、選手にそう仕向けていなければ、こんなことは起こらない。どんな言葉で炊きつけ、どんな言葉で燃えさせたのか。ベンチの裏側の見えない世界は、想像力がまったく及ばないところです。

選手をとにかく信じつづける姿勢であったり、大谷翔平に思う存分二刀流をやらせる大胆さ柔軟さであったり、西川遥輝であったり中島卓也であったりという生え抜きの若手を次々に育て伸ばす手腕であったり、名将であることは察することができますが、それにしてもここまでの大名将であろうとは。ここまでの大名将になろうとは。

そのさらに一段奥にある日本ハムという球団自体の摩訶不思議さ。

2011年のオフ、栗山英樹を監督として起用したとき、何故その選択に至ったのか。選手としての実績はさしたるものはなく、指導者としてのキャリアもない。テレビキャスターとしては人気を集めるものの、大半のファンは「?」と思った人選のはず。誰もが納得するような起用ではない、異例の抜擢でした。

しかも、北海道出身ということでもなく、もちろん日ハムへの所属歴もなく、名前つながりで「北海道栗山町」との縁があった程度。現役時代を過ごしたヤクルトが監督にするパターンは理解ができても、日ハムが起用するほどの理由があるとは思えず、今でも何故そういうことになったのか摩訶不思議です。ソフバンが秋山幸二や工藤公康を監督に担ぐことは理解ができても、日ハムが栗山英樹を監督に担ぐ理由は今もってわかりません。

ここに「理解が及ばないもの」としての、はてしなく遠い距離を感じるのです。ソフバンの強さはイメージができるし、親会社が倒れたら崩れる気がします。しかし、日ハムの強さはどこを崩せば崩れるのかがよくわからない。それだけに上回るイメージがわかない。我が埼玉西武ライオンズなんて、ヤクルトからも横浜からも中日からも「コーチまでで」と円満に退職を容認された辻発彦OBを監督に起用するという、誰が見ても「あぁほかに誰もおらんのやな」というわっかりやすい球団なのに!

↓黄金期のメンバーは大体使ってしもうたんや!もう清原くらいしか残っとらんのや!


「栗山英樹」という選択肢は永久に浮上しなそうな球団!

不思議さゼロの「せやろな」野球団だ!

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栗山英樹を監督に起用し、ダルビッシュ有が抜けた穴をまったく感じさせずに優勝し、秋のドラフトで大谷翔平を「説得」し、翌年のキャンプイン直前に糸井嘉男を電撃的トレードで放出した2012-2013年の動き。アレが決断できた日ハムの体制であったり、そこに近い将来の勝算を見い出せた分析力であったりは、「日本一野球が上手い」の称号にふさわしいものがあると思います。たとえ同じ戦力をもらったとしても、きっと同じことはできない。それが、ソフバンの強さとの決定的な違いなのかなと、呆れながら思うのです。

↓3番指名打者大谷が9回3点差でDH解除して、ピッチャーに入るなんて采配も日ハムしかできないと思います!


まず、二刀流自体をやらせない球団が大半!

そして、二刀流フル稼働でも選手を壊さないケアができる球団は少数!

しかも、その異例の起用を優勝争いの最中でもブレずにやれる球団は稀!

さらに、明日先発予定なのに展開次第でクローザーに持ってこようなんて発想はほぼ皆無!

そもそも、メジャー決断済みの大谷の説得に出向いた球団が日ハムしかない!

日ハムでなければ生まれなかった伝説のイニングだ!

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大谷がマウンドに向かうとき列を作ってうやうやしく送り出した日ハムの選手たち。165キロのストレートを連発する大谷を唖然として見つめた日本屈指の打者・ソフトバンク内川。同じチームメイトでありながら、勝負の最中にスゴすぎて笑ってしまっている中田翔と陽岱鋼。151キロのフォークとかいう打撃不能の絶望的魔球。ストレートとの球速差20キロ以上で飛んでくる141キロの高速&超緩急スライダー。何もかもがウソのような光景でした。

コレを見せてもらって「悔しい」なんて思えません。「ありがとう」という気持ちしかわいてこない。金だけでは得られない部分の強さ。屋台骨の強さ。ハムの美味さでは上があっても、野球の上手さではおたくがナンバーワンだ。バンザイと同じフォームで「お手上げ」させていただきます。何で勝ったのかは引き続きよくわかんないけど、スゴイことだけはグウの音も出ないほどわかりました。北海道日本ハムファイターズ、パ・リーグ優勝&日本一(※当選確実)おめでとう!


大谷にはもう日本でやることはないと思います!ありがとう、さようなら!