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 大阪府高槻市が昨年3月、労働組合活動を理由に、市立小学校の英語指導助手(AET)2人を卒業式に出席させなかったのは不当労働行為にあたるとして、府労働委員会は17日、市側に「同様の行為を繰り返さない」と労組に文書で約束するよう命じた。

 同市は1994年からオーストラリアの姉妹都市から「国際交流員」として助手を招き、2014年度は8人が有償で各小学校での授業を支援していた。しかし、市側が住居に指定したアパートの環境などをめぐって助手と市側が対立。府労委の命令書によると、市は卒業式に参加を希望していた助手に対し、「慎重に対応するよう」各小学校に指導した。

 理由について市幹部は、15年3月の市議会で、助手が市を批判するビラを配布したことなどを挙げ「混乱を生じさせる憂慮がある」と答弁していた。

 これに対して府労委は、市が2人を卒業式から排除したことは「合理的な理由がない」と指摘。労組員であることへの「不利益取り扱い」として、不当労働行為だと認定した。

 市は「命令書の内容を精査し今後の対応を検討したい」としている。15年度以降、市は事業を休止している。(浅倉拓也)