大手広告会社・電通(東京都港区)の新入社員だった女性(当時24歳)が昨年12月に自殺し、長時間労働による精神障害が原因と労災認定された問題で、東京労働局は14日午後、労働基準法に基づき電通本社に立ち入り調査に入った。

 遺族側によると、電通は労使で時間外労働を月70時間とする労働基準法の「36(サブロク)協定」を締結していたが、女性の精神障害発症1か月前の時間外労働は約105時間に達していた。厚生労働省もこの事実を把握しており、協定の内容の確認や社員の出退勤記録の提出を受け、組織的に違反が行われていなかったかどうかを調べる。調査には厚労省が昨年4月に設置した、労働者に過重労働を強いる「ブラック企業」を専門に取り締まる「過重労働撲滅特別対策班」の班員も同行した。