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2話
「え〜と、その〜...思い出せないみたいですね、僕」
少年は申し訳なさそうに頬をかいた。
「え〜?じゃあ、どう呼べばいいかわからないじゃないの」
「す、すいません...」
レミリアは、露骨にがっかりとした表情を浮かべて、ゆっくりとため息をついていた。
「はぁー、じゃあわたしがつけてあげる♪...うーん、そうだなー...」
黒い羽をはためかせてゆっくりと少年の方に下りてきた。そして、じぃ〜っと顔を覗き込んで、
「...ふふっ♪」
突然笑った。
「...な、なんでそんなに楽しそうなんですか?」
少年はなんとなく聞いてみた。
「なんかペットに名前をつけるみたいで楽しいわね♪」
言ってることは、いらっとくるが、逆にそのとても純粋な美人の笑顔にドキッとしてしまっていた。
「お嬢様、なにを仰ってるんですか?その人間、ペットってサイズじゃあないと思いますよ?」
「!?」
気ずくとそこには、銀色の髪できっちりとしている、女性が立っていた。
「あら、咲夜、遅かったわね♪」
「お、おお、お嬢様がこんなに笑顔で...!は~♥幸せです〜...は!、そうじゃなくてその人間、どうしたんですか?」
こ、この人、大丈夫なんだろうか?いや、これが普通なのか?レミリアさんもとくに反応してないし。
「ああ、この子、さっきフェンリルに襲われてたみたいで、そこを助けたのよ♪」
それを聞いた、咲夜と呼ばれていた女性は、驚いたように目を見開いた。
「フェ、フェンリルですか!?フェンリルは神喰らいとして有名で、神しか襲わないはず!人間なんて襲うはずが...」
「じゃあ、この子神なんじゃない?」
「いやいや、こんなに非力で小汚くて、どこからどう見ても人間ですよ!」
咲夜さんは、焦ったように少年を神でないとゆう説明をするついでに、軽く貶した。
「うーん、そこまで言わなくとも...冗談よ、ジョーダン、わたしがわからないわけないじゃないの」
「そ、うでしたか、あまりきつい冗談はやめてくださいよ?でもなんでフェンリルが人間を...」
難しい顔をし始めた咲夜さんをはね飛ばしてレミリアさんが少年の方に寄ってきた。
「もう終わったことだし、そんなに気にしなくてもいいわよ♪いま考えることはこの子の名前よ♪」
難しい顔をしていた咲夜さんとは対照的に、レミリアさんのテンションは高いままだった。
レミリアさんのテンションはしばらく下がりそうにないです。
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