2016-10-17

ファンタジーミステリを語る上で読んでおきたい200冊

いまだに十戒や二十則を「踏むべき手順」として持ち出してくるって、うみねこミステリ知識止まってる人か?


それはともかくファンタジーミステリの相性が悪いというのはあながち間違ってないし、

ループもの×ミステリミステリ史的には「SFミステリ」に分類されるものだったと思う。

ミステリ読者には事件探偵の前に「厳格なルールづくり」にプライオリティを置く人が多くて

そういう人たちが「ファンタジーミステリはなんでもありだからダメなんだ」と言う

こういう人たちの主張にも一理ある

ファンタジーミステリをかけ合わせた作品には「ルール設定」をぼかしているものが多い

でもこれはちょっとしたジレンマ

あんまりその世界独自ルールをカチカチに固めちゃうと読んでる読者の方が「お前の決めたルールやんけ」と白けてきちゃう

じゃあ逆に現実世界物理法則ロジックにそった解決へもっていくと「ファンタジー世界観にした理由がわからない」と文句がつく。

どっちにしろ、負け戦なわけだ。

しかしその困難を乗り越えてファンタジーミステリを書いてる人は多いわけで

みんなそういうものを読んで幸せになろう

ランドル・ギャレット『魔術師が多すぎる』

ファンタジーミステリ古典

魔法が発達してヴィクトリア朝以前の宮廷文化が保持された並行世界イギリス密室殺人が起きる。

当然「犯人魔法を使って殺したのでは?」みたいな疑惑が持ち上がるわけだけれど……。

このミステリで使われた「魔法世界ミステリをやるときメソッド」は良くも悪くもその後のファンタジーミステリ規範になった。

西澤保彦『七回死んだ男』

ループミステリの大古典

主人公である少年偏屈金持ち祖父が殺された……と思ったら次の日に何事もなかったかように殺害日の朝に逆戻り。

少年はなんとか祖父を助けようとするんだけどその度にバリエーション豊かに殺されていく。

どうやったら殺人を防ぐことができるのか? そもそもなぜループするのか。

ループミステリを語る上では見逃せない名作だ

山形石雄六花の勇者1』

魔法使い版『11人いる!』というか『そして誰もいなくなった』というか

魔法世界で起こる殺人を扱った作品としては『魔術師が多すぎる』を彷彿とさせるが

解決の手筋も実は『魔術師が多すぎる』に似ていて興味深い

アニメ化もされたんだっけ?

米澤穂信『折れた竜骨

割合「剣と魔法」系ファンタジーミステリとしては最高傑作の部類に入るとおもう

特筆すべきは「その世界でのロジック」にちゃんと拘っているにもかかわらず

ちゃんと読んでて納得させられるというか、「お前の決めたルールやんけ」感が少ないこと

物理法則ファンタジー寄りに、ロジック現実世界よりに構築したのが成功の原因ではないか

芦辺拓『スチームオペラ

いわゆるスチームパンク世界観ミステリやるやつで分類的にはSFミステリでもある

エーテルという特殊力学を中心に据えて展開されるため

「おまえの胸先三寸やんけ」にやや傾きがちなところもあって、それで批判されがちだけど

ファンタジーミステリ教養としては外せない。

白井智之作品全般

人間の顔は食べづらい』は『ソイレント・グリーン』、『東京結合人間』は『ムカデ人間』と

みもふたもない……もとい親しみのあるホラー設定の世界ガチ本格を作る若手随一の実力派。

世界本格のロジックは今後、この人の作品を基礎にしていくとおもう。

設定のセンセーショナルさに反していまいち弾けきれない部分があったが、最近刊『人間の顔は食べづらい』でネクストステージへ到達

森川智喜作品全般

最近のプチファンタジーミステリブーム先駆者

「剣と魔法」でもホラーでもSFでもない、童話ファンタジー風の世界観を基礎にしたガチ本格が特徴。

みためはかわいらしいが、倫理のタガが外れたヤバいキャラや話が多い

マストリードは『スノーホワイト』。『白雪姫』に出てくる鏡がもし現実存在したら……を天のはてまで突き詰めた傑作だ。

青崎有吾『アンデッドガール・マーダーファルス

ファンタジーミステリラノベとしては近年でも最良の収穫

吸血鬼狼男存在する20世紀初頭のイギリスで繰り広げられる大活劇

ミステリファンタジーアクションバランスがとれていて、わりあい読みやす

残りの190数冊はどこかって?

ふふ、それは君たちの頭のなかに眠っているのさ。。。

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  • http://anond.hatelabo.jp/20161017043112

    ループものが新しい規範って いったい何年前に戻る気なんだよw 当時はほんとループものばかりでヤバかった

    • http://anond.hatelabo.jp/20161017044717

      ループもののミステリ自体は20年以上前からあったはずだが、 ループの理由が不要になる異世界ものと結びついたのはごく最近という印象。 ところで他に何かあるなら、作品名を教え...

      • http://anond.hatelabo.jp/20161017092752

        ループとファンタジーを組み合わせた作品は少ないけどその発想自体は従来の延長線上にあるものでそこまでの革新性・独自性を見いだせないという話じゃないの。

        • http://anond.hatelabo.jp/20161017100119

          既存のものの組み合わせこそが、アイデアというものだと思うわけ。 (2章の、館の中で何度も殺されるあたり、かなりミステリを意識して書いていて感心した) 結果として、死に戻れ...

          • http://anond.hatelabo.jp/20161017102034

            ミステリとファンタジーの親和性の悪さは、「魔法」に尽きる。 さんざ、うみねこでやらかした人が居たが、密室もアリバイもなんもかんも魔法で実行できちゃうから、それが出来ない...

            • ファンタジーミステリを語る上で読んでおきたい200冊

              いまだに十戒や二十則を「踏むべき手順」として持ち出してくるって、うみねこでミステリ知識止まってる人か? それはともかくファンタジーとミステリの相性が悪いというのはあな...

            • http://anond.hatelabo.jp/20161017134700

              魔法で部屋を持ち上げて、部屋を回転させることで中の人を殺せばいいんだろ。(ドヤァ

            • http://anond.hatelabo.jp/20161017134700

              だから、「結界が張られていてこの中では魔法が使えない」 みたいな謎設定をよく見かけるのか。。

            • http://anond.hatelabo.jp/20161017134700

              折れた竜骨でも読んどけ

              • http://anond.hatelabo.jp/20161017154354

                ちょっとブコメも読んだけど、やっぱり「魔法に制限のある世界」に落ち着くのかね。 折れた背骨は、ほぼほぼ普通の中世と変わらん感じだし。 空間転移して魔法ぶっぱで範囲皆殺しで...

            • http://anond.hatelabo.jp/20161017134700

              うん、まあ俺もそう思っていた。 が、リゼロを読んで「なるほど、こういうやり方があったか!」と感心したんだ。 リゼロは読んだ? これは、うみねこでやらかした作者がひぐらしで...

              • http://anond.hatelabo.jp/20161017161706

                すまない、リゼロは読んでないんだ。 要は、大きな事件の渦中にある主人公が、その事件をくり返し体験し、その中で断片的な情報を集め、その情報から全体像をあぶりだす、という...

                • http://anond.hatelabo.jp/20161017165301

                  君の言う通り、ミステリとファンタジーの相性は良くない。 だが、ミステリとループの組み合わせは、新機軸のミステリを生み出せるんだ。 ただ、ループをそのまま使うと、「なぜルー...

              • http://anond.hatelabo.jp/20161017161706

                ゲームだとデッドエンド→コンティニューっていう死に戻りのシステムが初期段階で実装されているけど (ゲーム内の登場人物は無自覚でも、プレイヤーには経験が蓄積されていくシス...

                • http://anond.hatelabo.jp/20161017172621

                  ゲーム的リアリズムの誕生でも読んでるのがお似合い

                • http://anond.hatelabo.jp/20161017172621

                  「死に戻り」のシステムがミステリ的に面白いのは、ミステリが構造的に「事件が終わったあと」に残された情報から、何があったのか推測する性質があるのに対し、「死に戻り」は、...

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