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【首都スポ】

大学野球 創価大が2季ぶり43度目V ドラフト目玉の田中は9回に救援

2016年10月17日 紙面から

9回無死満塁からリリーフした創価大・田中正義=大宮公園球場で(小原栄二撮影)

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◇東京新大学野球 創価大10−6流通経大

 創価大が10−6で流通経大を破って、勝ち点を4として2シーズンぶり43度目のリーグ優勝を決めた。右肩の炎症から復活したドラフト目玉の156キロ右腕、田中正義投手(4年・創価)が9回にリリーフ登板して締め、20日のドラフト会議前にリーグ王者となった。春の王者・共栄大は9−5で東京国際大に連勝、勝ち点、勝率で流通経大に並んで2位の可能性を残した。

 優勝を決めても、創価大ナインは、はしゃぐこともなく、胴上げもしなかった。最後の打者を右飛に仕留めた田中は一瞬だけ白い歯を見せたものの、表情を緩めずにマウンドを降りてきた。「一番はほっとしています。一つヤマは越えたけど、まだまだ先は長いので気を引き締めたい」。関東選手権を乗り越えて、神宮大会で大学日本一へという目標にはまだ道半ばだ。

 9回無死満塁で登板。7回から登板するプランもあって準備したが、ルーキー小孫に任せた。6点リードで9回に入ったが、急きょ出番が来た。「やっぱり最後は正義なのかなあ。甲子園も経験している小孫も1年生、足が震えていた」と岸雅司監督(61)。3連続四死球となったところで、主将エースが連投マウンドに立った。

 いったんスイッチを切っていただけに、最速150キロをマークも先頭打者に押し出し四球。続く折橋にも右犠飛を打たれたが、力でねじふせるのではなく丁寧な投球で抑えた。「点差があったので目の前のバッターに集中しました」。シーズンはまだ続くが、ドラフト会議を前にリーグ制覇。「優勝して迎えられるのは良かった。作文を書くわけではないし、自分が何かできるわけではないので、待つしかない」

 1994年以降、春か秋のいずれかに優勝。チームとして23年連続の優勝は仲間と勝ち取った。エースで主将として全てを背負い込んだ春はけがもしてV逸。この秋は開幕を前に同級生の女房役・賀部、野手リーダーの伊東がサポート役を申し出てくれた。「本当に助けられました。チームのことは賀部と伊東がやってくれたので、自分の力を出すことに専念できた」。先発に抑えにフル回転、4勝負けなし、防御率1・78と復活も印象づけた。

 胴上げは次の舞台でという岸監督は「まずはリーグ優勝奪回という思いでやってきた。あとは正義と池田の就職(ドラフト指名)をみんなで応援したい」と話した。交渉権獲得球団も決まったあと、勝ち点5の完全V、その先にある関東選手権、神宮大会での日本一への挑戦が待っている。 (小原栄二)

優勝を決める試合に先発した創価大・池田隆英

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◆池田「バテました」 6回途中4失点

 創価大のドラフト候補右腕・池田は先発し6回途中で4失点降板。立ち上がりから全力投球したこともあって「変化球がうまく決まらなかった。四球も多く、正直バテました」と苦笑い。高校でもチームメートだった田中がいなかった春は投手陣を支え、この秋はこの試合前まで防御率リーグトップ。やるべきことはやってドラフト会議を迎える。

     ◇

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