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【ゴルフ】

松山英樹が国内メジャー初制覇 次は海外メジャーだ

2016年10月17日 紙面から

16番、10メートルのバーディーパットを沈め、派手なガッツポーズを決める松山英樹=埼玉・狭山GCで(開出牧撮影)

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◇日本オープン<最終日>

 ▽16日▽埼玉県入間市、狭山GC(7208ヤード、パー70)▽晴れ後曇り、20・5度、東南東2・4メートル▽賞金総額2億円、優勝4000万円▽66選手(うちアマ5人)▽観衆1万4417人

 松山英樹(24)=レクサス=が国内メジャー初制覇を飾った。2位に1打差の単独首位でスタートし、5バーディー、4ボギーの69と1つ伸ばして通算5アンダー。同組で回った池田勇太(30)=日清食品=を振り切り、2位に3打差をつけて逃げ切った。2014年のダンロップフェニックス以来、2季ぶりとなる日本ツアー通算7勝目。次週のCIMBクラシック(20〜23日、マレーシア)から米ツアーに復帰するが、年内の国内第2戦として三井住友VISA太平洋マスターズ(11月10〜13日、静岡・太平洋C御殿場)に出場することが濃厚になった。

 右拳を振り下ろし、声にならぬ叫びを上げた。16番。下り10メートルのバーディーパット。タッチはいい。ラインにも乗った。その球がゆっくりと転がるのを見ながら、松山は心の内で念じた。「届いてくれ」。球は一瞬、止まり掛け、最後に半回転してカップに消えた。残り2ホール、2位と4打差。他者を圧倒する、執念のにじんだワンプレーだった。

 「難しいパットだったけれど、大事なところで決まってくれた。(カップまで)届いてくれれば、入る自信があった」

 別次元にいた。2番で2・5メートル、6番で5メートルを沈めた。8番では2打目をピン手前2・5メートルに寄せ、9番パー5では楽々と2オンして連続バーディーを奪った。フェアウエーキープ率は21・43%で、66人中58位と低調。ただ、足首まで覆う深いラフに四苦八苦する選手が続出する中、パーオン率は61・11%(10位)に跳ね上がった。米ツアーと日本の芝の違いも関係ない。代名詞の力感あふれるアイアンショットで好機をつくり続けた。

 押し寄せた大観衆も、松山の背中を押した。毎ホール、ギャラリーで埋め尽くされ、老若男女から声援が飛んだ。「海外メジャーよりすごい。これだけ応援してくれたら、ふがいないプレーは絶対にできない」。勝って当たり前−。大本命の重圧を背負い、楽しみ、当然のように勝った。

 だが、優勝したのに笑みは少なかった。日本の頂点に初めて立ったのに、心からの歓喜はなかった。目指す頂、見たい景色はここではないからだ。

 「日本のメジャーと言われているけれど、ぼくはここを目標にしていない。ここは通過点。向こう(海外)のメジャーで勝てるようにもっと練習していきたい」

 満足することはない男だ。海外メジャーを制する日まで、松山が歩みを止めることはない。 (松岡祐司)

 

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