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【プロ野球】

大谷が165キロ3発締め 日本ハムがCS突破

2016年10月17日 紙面から

日本ハム−ソフトバンク 9回表2死、三者凡退に打ち取り日本シリーズ進出を決め、ガッツポーズする日本ハム・大谷=札幌ドームで(武藤健一撮影)

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◇日本ハム7−4ソフトバンク

 日本ハムが4点差をひっくり返して勝った。0−4の2回に中田のソロ、3回に杉谷の適時打で2点差とし、4回1死満塁から代打岡の2点二塁打と中島のスクイズで3点を奪い逆転。5回に近藤の2点二塁打で加点した。2回から救援陣が得点を許さず、9回は大谷が締めた。ソフトバンクは1回に4点を先行したが、投手陣が打ち込まれた。

    ◇

 「神ってる」を超えてる!! 日本ハム・大谷翔平投手(22)が16日、パのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(6試合制)第5戦、ソフトバンク戦(札幌ドーム)で前人未到の球速165キロを刻んだ。3番・DHで先発出場して7−4の9回に登板。三者凡退の完璧な投球でチームを4年ぶりの日本シリーズへ導いた。「懸かり」ではなく神が宿った右腕。ペナントレース、CSに続いて22日の開幕戦(マツダ)先発ならば、自動的にリアル二刀流発動だ。

 誰も想像していなかった。「指名打者、大谷が、ピッチャー」。男性場内アナウンサーの声に、満員のスタンドからどよめきと歓声が交錯した。7−4の9回、DHでスタメン出場の大谷がマウンドにゆっくりと上がり、抑えとして鷹打線に向かった。

 いきなり全開だった。先頭松田に対し、初球は163キロでファウル。2ストライクに追い込んだ後の3球目には自身の持つプロ野球記録の164キロを計測。ファウルになったが最後はスライダーで空振り三振に仕留めた。

 そして吉村への投球で、球場にいるすべての人の度肝を抜いた。1球目。思い切り右腕を振った直球の球速表示は「165キロ」。記録更新で球場内がどよめく中、スライダーで空振りを奪い、3球三振に仕留めると、雄たけびを上げた。

 あと一人。本多には力の限り腕を振った。2ストライクに追い込むと3球目にまたも165キロを計測。6球目にもこの日3度目の165キロを出した。最後は149キロのフォークで遊ゴロに打ち取り自身初の日本シリーズ進出が決定。この日の直球の平均球速は164・1キロ。完璧な火消しでレギュラーシーズンでもなかったセーブを記録した。

 「いい雰囲気でマウンドに上がらせてもらっていいパフォーマンスが出せた。すごい声援がそうさせてくれた」

 栗山監督にとっては奥の手だった。13年8月以来2度目となる野手出場からのリリーフ登板。「ある程度、体力的な心配はなくなって1回は無理できる」。第1戦後に指揮官から5戦目以降はリリーフの準備をするようにと命じられていた大谷は、3回の打席後、厚沢コーチに「行きましょうか」と登板を志願。「若い気持ちを汲んでやらないと」。マーティンが左足首痛悪化でベンチを外れていたこともあり、逆転後に栗山監督は抑えで使うと決めた。

 7回の打席後にはブルペンで投球練習を行った。「DHで出ていたので体自体は動いていた。(練習の)省略できる部分があったのがよかった」。第1戦のリアル二刀流から5試合連続出場し、中3日での登板。「僕一人で取り組んできたわけではない。トレーナー、裏方さんに助けられ、体が強くなっている。そういう人のおかげ」と感謝した。

 大谷の獅子奮迅の活躍でチームは4年ぶりの日本シリーズ進出を決めた。二刀流劇場は日本シリーズでも続く。 (水足丈夫)

 

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