11日にフィリピン北部のバコロル郊外のサトウキビ畑で韓国人の男女3人が殺害されているのが見つかった事件で、殺害された3人は韓国で140億ウォン(約12億8000万円)規模の金融詐欺を働いた疑いで告訴されていたことが分かった。警察は3人が投資家らから受け取った金の大部分を持って出国していたことから、金を狙った請負殺人の可能性があるとみて捜査している。
警察によると、死亡した韓国人男性Aさん(52)とBさん(48)、女性Cさん(49)は昨年7月、ソウル市江南区に投資法人を設立し「海外の先物取引で毎月高収益を保障する」として300人以上から総額148億ウォン(約13億5500億円)の出資金を集めた。Bさんが社長、AさんとCさんが役員として名を連ね、1年にわたり会社を運営。BさんとCさんは実際の夫婦ではなかったが、夫婦を装って「私たち夫婦もこの事業に全財産をつぎ込んだ」と話して投資家たちをだましていた。
最初の数カ月間は初期の投資家たちに収益金を分配していたが、これは別の投資家から集めた新規の出資金だった。いわゆる「ねずみ講」の典型的な手口だ。しかし今年6月から新規投資家が集まらなくなり、収益金の分配が滞るようになったため、投資家たちが抗議。Aさんら3人は手元に残った金を持って8月16日から19日にかけて国外に逃亡した。警察の関係者は「事業が行き詰まったため急きょ観光ビザを取得して逃亡を計画し、男性2人が先に香港に出国した後、女性のCさんがフィリピンに出国、現地で合流したと推定される」と話した。