【秋華賞】ヴィブロス、差し切りV!福永20度目の挑戦で悲願の初勝利
◆第21回秋華賞・G1(16日・芝2000メートル、京都競馬場、良)
第21回秋華賞・G1が16日、京都競馬場で行われ、3番人気のヴィブロスが直線で鋭く抜け出して差し切り勝ち。全姉ヴィルシーナが2着に敗れた舞台で、G1初制覇を飾った。手綱を執った福永は20度目の挑戦で秋華賞初勝利。2着は4番人気のパールコード、3着は8番人気のカイザーバルで、1番人気のビッシュは10着に敗れた。
残り100メートル。福永の必死の左ステッキに応え、ヴィブロスが最後の力を振り絞った。「2着馬がしぶとかったので最後まで分からなかったが、力を出し切った後の粘りがすごかった」。馬体重で100キロ近く大きいパールコードを外から豪快に抜き去り、ビッグタイトルをつかんだ。
前半は9番手を追走。福永はビッシュなどのライバルたちの位置取りを、3コーナーまでに確認。タイミングを見計らって追い出した。「一番いいポジションが取れた。これで負けたら仕方がないと思って乗っていた」。完璧なエスコートだった。
全姉ヴィルシーナが4年前、鼻差で敗れた舞台で雪辱Vを飾った。「あの時は(ゴールの瞬間に)勝ったと思ったので、悔しかった。リベンジできましたね」と全姉も管理した友道調教師は笑った。厩舎にとっても、マカヒキで挑んだ凱旋門賞で14着と大敗した“流れ”を断ち切る勝利となった。
福永も、凱旋門賞と同じ日のスプリンターズSで、1番人気のビッグアーサーに騎乗して12着に敗れた。「最低の騎乗」と自らを責めた男は、2週後の大舞台で修正した。「内に入れるつもりはなかった。いい仕事ができたと思う」と胸を張った。
全姉、友道師、福永のリベンジを果たしたヴィブロス。開業当初からのゆかりの血統だけに、友道師は「ヴィルシーナも4歳になってからたくましくなったしね」とさらなる成長を約束。次走は未定だが、根性娘から目が離せない。(吉村 達)
◆ヴィブロス 父ディープインパクト、母ハルーワスウィート(父マキアヴェリアン)。栗東・友道康夫厩舎所属の牝3歳。北海道安平町・ノーザンファームの生産。通算戦績は7戦3勝。総収得賞金は1億2530万6000円。重賞は初勝利。馬主は佐々木主浩氏。