「手続が分かりにくい」「安全性に欠ける(公共)施設がある」「高齢者や障害者への配慮に欠けている」など、役所の仕事に関する苦情、意見・要望があるときには「行政相談」をご利用ください。総務省では、全国各地に「行政相談窓口」を設置しています。
INDEX
-
1.「行政相談」って何?
~役所への苦情や意見・要望を受け付け、行政の制度・運営の改善に生かす制度
-
2.どんなことが相談できるの?
~医療保険・年金から雇用、運輸、道路行政など多岐にわたる分野の相談を受付
-
3.相談によって解決した事例は?
~様々な分野において制度や施設などが改善
-
4.どうやって相談するの?
~電話(行政相談110番)や窓口来訪、インターネット、手紙・FAXなどで可能
-
5.行政相談委員って?
~総務大臣から委嘱された地域の民間有識者で、無報酬で行政相談の受付を行っています
1.「行政相談」って何?
~役所への苦情や意見・要望を受け付け、行政の制度・運営の改善に生かす制度
「手続が分かりにくい」「役所が対応してくれない」「安全性に欠ける(公共)施設がある」「高齢者や障害者への配慮に欠けている」「手続を簡素化してほしい」「どこの窓口に申請してよいか教えてほしい」……。役所の仕事に関する苦情、意見・要望や行政に関して分からないことなどはありませんか?
そのようなときに役に立つのが、総務省の「行政相談」です。
行政相談は、国や独立行政法人、特殊法人の業務や、国が関わっている都道府県・市区町村などの業務に対する苦情、意見・要望などを幅広く受け付け、公正で中立的な立場から、必要に応じて、関係行政機関にあっせんを行います。そして、その解決や実現の促進を図るとともに、行政の制度・運営の改善に生かす制度です。
画像:総務省「行政相談」パンフレット
また、毎年10月15日以降の最初の月曜日から1週間は、「行政相談週間」です。平成28年度は10月17日から23日まで。この機会に行政相談を利用してみてはいかがでしょうか。
行政相談シンボルマークをご存じですか?
「『行政相談』の親しみやすさ」(向かい合う二つの顔)と「相談ごとが解決した喜び」(二つの顔が一つの笑顔に見える)を表現しています。
2.どんなことが相談できるの?
~医療保険・年金から雇用、運輸、道路行政など多岐にわたる分野の相談を受付
役所の仕事に関して寄せられたご相談などでは、次のような行政分野に関するものが多くなっています。
行政分野 | 相談例 | 関係府省など |
---|---|---|
社会福祉 | ・生活保護の支給額が前月より少ないことに納得できない ・児童扶養手当の受給資格について教えてほしい |
厚生労働省 |
道路 | ・国道に危険箇所があるので、早く改修してほしい | 国土交通省 |
医療保険・年金 | ・勤務している会社が健康保険に加入しないので、健康保険に加入するようにしてほしい ・国民年金や厚生年金保険の被保険者の資格要件や受給額を教えてほしい |
厚生労働省 日本年金機構 |
雇用 | ・離職票を会社に発行してもらえず失業給付を受け取れないので、離職票を発行してもらえるようにしてほしい ・長時間労働を強いられているので、労働時間などの労働条件について、改善してほしい |
厚生労働省 |
運輸 | ・バス停の破れた時刻表を直してほしい | 国土交通省 |
窓口サービス | ・職員の応接対応が悪いので、改めてほしい ・決定までの手続が遅いので、早くしてほしい |
国、県 市区町村 |
また、行政相談では、こうしてほしいといった相談以外にも「困りごとがあるが、どこに相談してよいか分からない」「関係機関に相談したが、相手の説明や対応に納得がいかない」「いろいろな事情から、関係機関に直接苦情を言いにくい」「制度や仕組みが分からない」といったことも受け付けています。
3.相談によって解決した事例は?
~様々な分野において制度や施設などが改善
これまでに、行政相談を通じて行政サービスなどが改善した例はたくさんあります。その中から、いくつかをピックアップしてご紹介します。
【改善事例1】廃屋の軒先にある郵便ポストを安全な場所に移設してほしい
- 相談内容
- 郵便ポストが廃屋の軒先に設置されており、使いにくい上、危険なので、移設してほしい。
- 改善内容
- 日本郵便株式会社に連絡した結果、郵便ポストは店舗の軒先に移設されました。
写真提供:総務省
【改善事例2】 国立病院の駐車料金を無料にしてほしい
- 相談内容
- 私は、ある国立病院に入院している家族の世話をするために、週に何度も車でその国立病院を訪れるが、外来患者と異なり、駐車料金がその都度必要である。利用回数の多い者にとっては、経済的な負担が大きいため、外来患者と同様、無料にしてほしい。
- 改善内容
- ほかにも同様の意見があることなどから、指摘のあった国立病院に改善を申し入れました。その結果、入院患者のお見舞いや付き添い等の目的で訪問する方については、駐車料金を無料とする対応策が取られました。
【改善事例3】壊れた堤防の補修
- 相談内容
- 堤防の下部が深くえぐれており、大雨による増水などにより堤防が崩壊する危険があると思うので補修してほしい。
- 改善内容
- 土木事務所に連絡した結果、堤防が補修されました。
【改善事例4】利用されなくなった横断歩道橋を撤去してほしい
- 相談内容
- 廃校となった小学校前に設置されている横断歩道橋は、小学校が廃校となる以前は、通学路として利用されていたが、現在は利用する人がほとんどいない。横断歩道橋の橋脚で歩道が狭くなっており、通行しにくいので、横断歩道橋を撤去してほしい。
- 改善内容
- 河川国道事務所に連絡した結果、横断歩道橋が撤去され、新たに歩行者用信号機や横断歩道が設置されました。
写真提供:総務省
4.どうやって相談するの?
~電話(行政相談110番)や窓口来訪、インターネット、手紙・FAXなどで可能
行政相談は次のような方法で行うことができます。いずれも、特定の様式や添付書類などの提出といった難しい手続は不要です。相談費用も無料で、相談者の秘密は固く守られます。
(1)電話
「行政苦情110番」0570-090110(全国共通番号)
最寄りの管区行政評価局・行政評価事務所につながります。
※職員対応時間:管区行政評価局、行政評価事務所によって異なります。詳しくはお問い合わせください。
※一部のIP電話からは利用できないこともあります。その場合は最寄りの管区行政評価局か行政評価事務所の電話番号((2)「相談窓口」を参照)におかけください。
※相談内容の正確な把握のため、電話での会話は録音されます。
(2)相談窓口
都道府県庁所在地などに設置されている「管区行政評価局・行政評価事務所」、19都市21か所のデパートなどに開設している「総合行政相談所」、総務大臣が委嘱している行政相談委員(5 「行政相談委員って?」を参照)が開設している行政相談所などで相談を受け付けています。
- 管区行政評価局・行政評価事務所(全国50か所)
- 都道府県庁所在地などに設置されています。詳しい場所、受付時間などについては、総務省「行政相談の管区行政評価局及び行政評価事務所の連絡先一覧」をご覧ください。
- 総合行政相談所(常設または定期的)
- 国の行政機関、地方公共団体や各種団体、行政相談委員などの協力を得て、全国19都市21か所のデパートなど気軽にお立ち寄りいただける場所で毎日または定期的に開設されています。
総合行政相談所の様子 (京都府京都市)
写真提供:総務省
最寄りの開設場所は「総合行政相談所 所在地一覧」をご覧ください。
- 一日合同行政相談所(随時)
- 行政相談週間を中心に、市役所や市民会館などの公共施設、デパートやショッピングセンターなど街中で気軽に入りやすい施設において、複数の国の行政機関などが合同で相談所を設け、共通の窓口で相談を受け付けます。複数の行政機関に対して相談をしたい場合や複数の行政機関に関係する相談がある場合でも、それぞれの行政機関の所在地へ出向くことなく、一か所で済ませることが可能です。
一日合同行政相談所の様子 (栃木県宇都宮市)
写真提供:総務省
平成28年度の行政相談週間を中心とした一日合同行政相談所の開催日程などはこちら
- 特別行政相談所(災害時に開設)
- 地震や台風などの災害で被害を受けた方々からの相談を重点的にお受けするために開設されます。
(3)インターネット
下記のURLまたはQRコードのメールフォームから相談できます。
また、検索エンジンで「行政相談受付」で検索しても、下記のアドレスからメールフォームにアクセスできます。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/soudan.html
※24時間365日受付(ただし、回答は平日)。
(4)手紙・FAX
管区行政評価局・行政評価事務所宛に直接ご送付ください。(宛先は総務省「行政相談の管区行政評価局及び行政評価事務所の連絡先一覧」をご覧ください)
これらのほか、行政相談委員が相談を受け付けています。
なお、お住まいの場所と相談の内容に関係する場所が離れていても、全国の管区行政評価局・行政評価事務所が一体となって受付・処理を行っているため、相談内容に関係する場所を管轄する管区行政評価局・行政評価事務所まで出向く必要はありません。最寄りの管区行政評価局・行政評価事務所または行政相談委員に相談することができます。
5.行政相談委員って?
~総務大臣から委嘱された地域の民間有識者で、無報酬で行政相談の受付を行っています
行政相談委員は、総務大臣から委嘱された地域における民間有識者で、無報酬のボランティアとして、役所の仕事に関する苦情、行政の制度・運営の改善についての意見・要望などを受け付けたり、相談者に助言を行ったり、関係機関に対する改善の申し入れなどを行ったりしています。現在、全国各地に約5,000人(各市区町村に少なくとも1人以上)が活動しており、相談受付件数は毎年約10万件に達しています。
行政相談委員は、下記のような活動をしていますので、お気軽にご相談ください。
これらの活動の詳細については、最寄りの管区行政評価局・行政評価事務所 にお問合せください。
- 行政相談所
- 市区役所・町村役場・公民館やショッピングセンターなど地域住民に便利で身近な場所で定期的に開設されています。なお、区域の広い市区町村や交通の不便なところでは、地域を巡回して相談所を開設したり、また、地域のイベントなどに出向いたりして相談所を開設しています。
行政相談所(北海道旭川市)
写真提供:総務省
- 行政相談懇談会
- 自治会や婦人会などの代表者や地域の方々との懇談会を開催し、行政相談の改善事例(3「相談によって解決した事例は?」を参照)を具体的に紹介するとともに、役所の仕事に関する苦情、行政の制度・運営についての意見・要望をお聞きします。
行政相談懇談会(北海道釧路市)
写真提供:総務省
- 行政相談出前教室
- 行政相談委員と管区行政評価局・行政評価事務所の職員が一緒に、小中学校や高校、大学などに出向き、行政相談の改善事例を具体的に紹介しながら、行政相談制度の授業を行っています。この出前教室では、児童や保護者などから身近な困りごとを聞いて、実際に行政相談として対応するとともにその結果を紹介するなど、児童たちがこの制度を体感できるような工夫がされています。
行政相談出前教室(兵庫県神戸市)
写真提供:総務省
このほかにも、行政相談委員は自身の相談活動を通じて得られた様々な行政の制度・運営上の改善についての意見を、総務大臣に述べることができます(行政相談委員法第4条)。
<取材協力:総務省 文責:政府広報オンライン>
政府広報
政府インターネットテレビ
- 行政に関する困りごとはありませんか? 困ったら一人で悩まず行政相談
皆さんは、「行政相談」という言葉を聞いたことがありますか?行政相談とは、国民の皆さんから、行政などへの苦情や意見、要望を受け付け、その解決を目指す制度です。今回は、行政相談とは何か、行政相談によって私たちの暮らしがどのように改善しているのかについて、実際にあった事例をもとにご紹介します。