小笠原諸島で鳥類襲われる 野生化した猫の捕獲進む

小笠原諸島で鳥類襲われる 野生化した猫の捕獲進む
小笠原諸島では野生化した猫に固有のハトなどの鳥類が襲われる被害が相次いでいることから、国やNPOなどが連携して、猫を捕獲して内地に送り、新しい飼い主へ引き渡す試みが進んでいます。
小笠原諸島ではアカガシラカラスバトやハハジマメグロなどの固有の鳥類が、野生化した猫に襲われる被害が相次いで確認されていて、環境省や地元のNPOなどでは、平成17年から餌の付いた籠を山林に設置し、猫の捕獲を始めました。

これまでにおよそ570匹の猫が捕獲され、父島にある施設から本土の動物病院に送られて人に慣れさせたあと、新たな飼い主に引き取られるということです。
野生の猫が減少したことで、小笠原諸島のアカガシラカラスバトの数は最も少なかった時期から10倍程度となる、およそ600羽に上ると見られています。

一方、現在も父島で50匹、母島で200匹程度の野生の猫が生息していると見られ、環境省などではさらに捕獲作業を進めることにしています。

環境省小笠原自然保護官事務所の尼子直輝さんは「小笠原の希少な生物を猫から守るとともに、捕獲した猫も殺処分することなく、新しい飼い主を見つけることで共存させていきたい」と話しています。