ドイツの経済紙ハンデルスブラットなどが伝えるところによると、ドイツ銀行(ティッカーシンボル:DB)が米国事業の縮小を検討しているようです。
ドイツ銀行は世界で約10万人を雇用していますが、そのうち10%が米国です。
同行は米国司法省と住宅抵当証券の不適切な販売を巡り、罰金の支払いを要求されています。当初の司法省の示した金額は140億ドルです。この交渉は、未だ続いています。
伝え聞くところでは、示談の条件のひとつとして「ドイツ銀行の米国の事業を縮小せよ」ということが提示される可能性もあるそうです。
同行の米国の事業は主に債券やデリバティブのトレーディングですが、これらは資本集約的なビジネスです。ドッド・フランク法の下では、資本面で今まで以上に厳しい注文がつけられるため、この際、事業を縮小するというのは自然な流れだと思います。
その反面、米国市場は投資銀行フィーが沢山発生する市場であり、その意味において魅力的だし、グローバル展開を標榜する金融機関にとってはアメリカに橋頭堡がなくては格好がつきません。

ドイツ銀行は1998年にアメリカでバンカース・トラストを買収しました。また運用部門は2001年に買収したスカダー・スティーブンスが核となっています。
なかでもバンカース・トラストは、通常の信託業務に加え、「銀行の銀行」として他行の準備金を保管し、必要に応じて資金を用立てるなどの業務を行ってきました。とくにカリスマ・バンカー、ベンジャミン・ストロングJr.が采配を振るったことで有名です。
1998年にバンカース・トラストがドイツ銀行に買収される直前にバンカース・トラストはボルチモアの老舗引受業者、アレックス・ブラウンを買収しています。
またドイツ銀行が1990年に英国のモルガン・グレンフェルを買収した際、モルガン・グレンフェルが米国に所有していたリサーチ・ブティック、CJローレンスを手中に収めています。CJローレンスは著名エコノミスト、エド・ハイマンや石油株のアナリスト、チャーリー・マクスウェルを擁していました。
下はリサーチ・ブティック黄金時代のCJローレンスの調査レポートの表紙です。

CJローレンス、アレックス・ブラウン、バンカース・トラスト、スカダー・スティーブンス……そのような老舗ブランドを傘下に収めながら、ドイツ銀行のアメリカ攻略は、いまひとつ上手く行っていないというのが正直な印象です。
下のグラフに見るように、スケール的にもドイツ銀行は他の欧州系同様、中途半端な存在です。

この際、真剣に進退を熟考すべき局面に来ていると言えるでしょう。
ドイツ銀行は世界で約10万人を雇用していますが、そのうち10%が米国です。
同行は米国司法省と住宅抵当証券の不適切な販売を巡り、罰金の支払いを要求されています。当初の司法省の示した金額は140億ドルです。この交渉は、未だ続いています。
伝え聞くところでは、示談の条件のひとつとして「ドイツ銀行の米国の事業を縮小せよ」ということが提示される可能性もあるそうです。
同行の米国の事業は主に債券やデリバティブのトレーディングですが、これらは資本集約的なビジネスです。ドッド・フランク法の下では、資本面で今まで以上に厳しい注文がつけられるため、この際、事業を縮小するというのは自然な流れだと思います。
その反面、米国市場は投資銀行フィーが沢山発生する市場であり、その意味において魅力的だし、グローバル展開を標榜する金融機関にとってはアメリカに橋頭堡がなくては格好がつきません。
ドイツ銀行は1998年にアメリカでバンカース・トラストを買収しました。また運用部門は2001年に買収したスカダー・スティーブンスが核となっています。
なかでもバンカース・トラストは、通常の信託業務に加え、「銀行の銀行」として他行の準備金を保管し、必要に応じて資金を用立てるなどの業務を行ってきました。とくにカリスマ・バンカー、ベンジャミン・ストロングJr.が采配を振るったことで有名です。
1998年にバンカース・トラストがドイツ銀行に買収される直前にバンカース・トラストはボルチモアの老舗引受業者、アレックス・ブラウンを買収しています。
またドイツ銀行が1990年に英国のモルガン・グレンフェルを買収した際、モルガン・グレンフェルが米国に所有していたリサーチ・ブティック、CJローレンスを手中に収めています。CJローレンスは著名エコノミスト、エド・ハイマンや石油株のアナリスト、チャーリー・マクスウェルを擁していました。
下はリサーチ・ブティック黄金時代のCJローレンスの調査レポートの表紙です。
CJローレンス、アレックス・ブラウン、バンカース・トラスト、スカダー・スティーブンス……そのような老舗ブランドを傘下に収めながら、ドイツ銀行のアメリカ攻略は、いまひとつ上手く行っていないというのが正直な印象です。
下のグラフに見るように、スケール的にもドイツ銀行は他の欧州系同様、中途半端な存在です。
この際、真剣に進退を熟考すべき局面に来ていると言えるでしょう。