7月の知事選で脱原発を掲げた三反園訓(みたぞの・さとし)氏が初当選した鹿児島県で、九州電力川内(せんだい)原発(同県薩摩川内市)の運転に反対する県民からも、新潟県知事選の結果を歓迎する声が上がった。
鹿児島県労連議長で、脱原発候補を三反園氏に一本化するため、知事選への立候補を取りやめた平良(たいら)行雄さん(56)は「脱原発を求める流れが全国的に広がっていることを示した。国は原発に頼った今の政策を根本的に見直すべきだ」と語った。
三反園知事は就任後、川内原発の即時一時停止を九電に申し入れたが、九電は拒否。現在は1号機が定期検査のため停止中で、12月上旬には運転再開の是非が焦点となる。平良さんは「選挙結果を重く受けとめ、知事は安易に再開を認めないでほしい」と話した。
薩摩川内市で脱原発を求める市民団体のメンバー、上原正利さん(69)も「選挙結果は国に歯止めをかける意味で大きい。反対運動に勢いがつく」と喜んだ。ただ、16日に告示された同市長選(23日投開票)では立候補した2人がいずれも原発稼働を主張している。それでも、上原さんは「今や多くの市民が原発に頼ったまちづくりに疑問を持っている。活動を続けたい」と話した。【杣谷健太】