任期満了に伴う新潟県知事選が16日投開票され、新人の米山隆一氏(49)=共産、自由、社民推薦=の初当選が確実になった。東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働に慎重な泉田裕彦知事の路線継承を訴えて支持層を広げ、前新潟県長岡市長の森民夫氏(67)=自民、公明推薦=らを破った。再稼働を「現状では認めない」と公言する慎重派の米山氏が知事に就任することで、政府のエネルギー政策にも影響しそうだ。
新潟県柏崎市と刈羽村にまたがる柏崎刈羽原発は1~7号機の総出力が世界最大の約820万キロワットで東電の主要な電源。だが、東日本大震災後の2012年3月から運転を全面停止している。当選確実の一報を受けた米山氏は午後9時半ごろに新潟市内の選挙事務所で記者会見し、「(選挙戦で)約束したとおり、現状では再稼働を認めることはできない」と、原発再稼働に反対する考えを改めて表明した。
国の原子力規制委員会は現在、同原発6、7号機の再稼働に向けた安全審査を進めているが、合格しても米山氏が再稼働にすんなり同意する可能性は低いとみられる。
新潟県知事選を巡っては、4選出馬を表明していた泉田知事が8月末に出馬を急きょ撤回。民進党の次期衆院選候補に内定していた米山氏は告示直前に離党し、無所属で出馬した。