開票速報で当確が伝えられ、万歳をして喜ぶ米山隆一氏(右から2人目)と陣営の幹部ら=16日午後9時20分、新潟市中央区

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 任期満了に伴う新潟県知事選は16日投開票が行われ、無所属新人の医師、米山隆一氏(49)=共産、自由、社民推薦=が、前長岡市長の森民夫氏(67)=自民、公明推薦=ら無所属新人3人を破り、初当選を果たした。

 東京電力柏崎刈羽原発(同県柏崎市など)の再稼働に反対する共産党など野党の後押しを受けた米山氏の当選で、政府や東電が推進する再稼働が困難になる可能性がある。

 米山氏は当選が確実となった同日夜、新潟市内で支持者らを前に「この勝利は第一歩だ。皆さんからいただいた思いを一つ一つ真摯に丁寧に全力で形にしていく」と述べた。柏崎刈羽原発の再稼働については「命と暮らしを守れない現状で、再稼働を認めることはできない」と明言し、反対の姿勢を鮮明にした。

 選挙戦は、森、米山両氏による事実上の一騎打ちの構図。柏崎刈羽原発は原子力規制委員会の審査が終盤を迎えており、再稼働問題が最大の争点となった。

 米山氏は再稼働に慎重な姿勢を取り続けた泉田裕彦知事の後継の立場を強調し、再稼働反対を前面に掲げて選挙戦を展開。推薦した共産党などの野党幹部のほか、自主投票を決めた民進党も選挙戦終盤の14日に蓮舫代表が新潟入りし、与野党対決の様相となった。

 一方、森氏を推す自民、公明の与党は幹部らを投入し総力戦を展開。各種業界団体や連合新潟の支持も得たが苦戦を強いられた。

 知事選は、4選に向け出馬を表明していた泉田氏が8月30日、突然、地元紙・新潟日報の報道に対する不満から不出馬を表明。新人4人が立候補し、激戦に突入した。元団体職員の三村誉一氏(70)、行政書士の後藤浩昌氏(55)も立候補したが、支持が広がらなかった。