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国、全面的に争う姿勢 請求権の時効主張

ビキニ環礁

 1954年に太平洋ビキニ環礁で米国が実施した水爆実験で、周辺海域で操業していた漁船の元船員や遺族ら45人が、被ばくによる慰謝料など計約6500万円を求めた全国初の国家賠償請求訴訟の第2回口頭弁論が13日、高知地裁(石丸将利裁判長)であり、国側は棄却を求めて全面的に争う姿勢を示した。

 原告側は、第五福竜丸以外の被ばく検査記録を国が故意に開示してこなかったため、元船員らが米国に賠償請求する機会を失い、精神的苦痛を受けたなどと訴えている。国側は、賠償請求権が消滅する民法規定の20年を経過していると反論。国が2014年まで各船の被ばく状況を明らかにしなかったとの原告側主張には、「被災状況に関する資料を探し、速やかに文書開示している」として隠蔽(いんぺい)を否定した。

 賠償請求期限について国側は賠償請求期限を過ぎているとしているが、原告側は「請求権を失った精神的苦痛が問題。請求権の時効は問題ではない」と反論。「広島、長崎の原爆被爆者と同様、ビキニ被災者も国による援護が必要だが、なんら措置がなされていない」と批判している。

 原告側は水爆実験の周知について「核実験が行われると知りながら徹底せず、多くの漁民が被ばくした」と主張しているが、国側は「『兵器の実験のため大きな危険がある』と官報に掲載していた」とした。原告側は「官報が示した危険区域は、ごく限られたエリアだった。さらに漁業者に官報を見る者はおらず、直接、知らせなければ意味がない」とした。【岩間理紀】

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