入館400万人を祝うくす玉が割られ、喜ぶ寝屋川市立北小の児童たち=京都府舞鶴市の舞鶴引揚記念館で2016年10月13日午前9時59分、行方一男撮影
第二次大戦後のシベリア抑留や引き揚げに関する資料約1万6000点を所蔵する京都府舞鶴市の「舞鶴引揚記念館」の入館者が13日、400万人を突破した。節目の入館者となったのは、修学旅行で訪れた大阪府寝屋川市の市立北小6年の児童約100人で、多々見良三市長から記念品が贈呈された。1988年4月の開館から28年での達成となった。
同館は抑留経験者や家族らから、資料の提供と建設費の寄贈を受けて開館し、91年度には最多の約20万人が訪れた。しかし、以後は入館者数の減少が顕著となり、2012年度から市営となった。
昨年は、抑留者が紙の代わりに木の皮に記した「白樺(しらかば)日誌」や復員を待ちわびる母の手紙など、所蔵資料570点が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録された。さらに約3億7000万円をかけて同館を改修したことが追い風となり、約13万人まで回復した。
同小の榎木菜々子さん(11)は「私たちが400万人目になるとは思わなかった。体験者の話をしっかり聞いて、戦争のない世界にしたいです」と喜んでいた。【行方一男】