愛知県一宮市のパート従業員、渡辺洋子さん(62)が自宅で殺害され金品を奪われた事件で、強盗殺人容疑で逮捕された無職、芥川誠容疑者(57)=同県北名古屋市中之郷南=が、渡辺さんに資産があることを知って、その金品を狙った疑いがあることが捜査関係者への取材で分かった。渡辺さんには、死別した夫からの遺産などがあったという。
芥川容疑者が、渡辺さんの貴金属を買い取り店に持ち込んで、換金していたことも新たに判明した。芥川容疑者は逮捕容疑を認めており、県警一宮署特別捜査本部は事件の詳しい経緯の解明を進めている。
特捜本部によると、芥川容疑者は8月26日ごろ、一宮市奥町三出西の渡辺さん方で、1人暮らしの渡辺さんの首を圧迫して窒息死させ、現金の入った長財布や小銭入れのほか、貴金属などを奪った疑いがある。
捜査関係者によると、渡辺さんは20年以上前に夫を亡くし、その際に高額の遺産や保険金を受け取っていたとみられる。芥川容疑者は、渡辺さんの友人だった女性と親しくなり、この女性を通じて渡辺さんと知り合ったという。女性と渡辺さんは以前からの知り合いだった。芥川容疑者は金に困っていたとされる。特捜本部は、芥川容疑者がこの女性から渡辺さんの資産や暮らしぶりなどについて聞き出し、渡辺さんを狙った可能性があるとみて、動機などについて詳しく聴いている。
一方、捜査関係者によると、渡辺さんが遺体で発見された際、自宅から貴金属が無くなっていた。渡辺さんの貴金属が買い取り店に持ち込まれていることが判明し、調べたところ、芥川容疑者が売却していたという。【道永竜命】