発火したギャラクシーノート7(AP)【拡大】
韓国のサムスン電子は11日、過熱・発火問題に揺れる主力スマートフォン「ギャラクシーノート7」の生産を終了するとの声明を発表した。同社にとって深刻な頭痛の種となっているスマホ機種を葬り去る、思い切った措置を講じた。
サムスンはついに、米ホリデーシーズンに向けてアップルのアイフォーンや他社製品と競うはずの主力製品から撤退した。同社広報担当者は電話取材に対し、ノート7の「販売と製造を恒久的に中止する」と述べた。
同日のソウル市場では、同社による小売店へのノート7の販売・交換停止依頼が報道されると同社株価は急落した。その後、「ノート7の販売の一時中断」を公表するとさらに株価は下がり、2008年以降で最大の下げとなる前日比8%安で終了。これに伴い、時価総額は170億ドル(1兆7668億円)縮小した。
ノート7の発火事故の原因究明を進めていたサムスンは、ユーザーに対して新たな指示が出るまで電源を切り、使用を控えるよう呼び掛けた。米消費者製品安全委員会(CPSC)もさらなる過熱事故の懸念があるため、消費者はノート7の使用を中止すべきだと表明。エリオット委員長は、「サムスンが小売店に対しノート7の販売および交換を全て停止したことは正しい措置だ」と評価していた。