JR室蘭線で特急北斗8号(右)と衝突し、線路で大破した軽乗用車を調べる警察官や消防隊員ら=北海道苫小牧市で2016年10月15日午後0時15分、福島英博撮影
15日午前10時半ごろ、北海道苫小牧市錦岡のJR室蘭線覚生(おぼっぷ)通り踏切で、札幌発函館行き特急北斗8号(8両編成)が軽乗用車と衝突し、車に乗っていた男女2人が体を強く打ち死亡した。特急の乗客1人が首の痛みを訴え、病院に運ばれた。道警苫小牧署によると、遮断機が下りた後に軽乗用車が入ってきたとみられる。この踏切では2012年1月にも特急と軽乗用車が衝突し、車の男性が即死している。
同署の調べでは、死亡したのは運転していた同市山手町2、無職、林※さん(73)と後部座席に乗っていた同市緑町2、無職、木幡信子さん(72)。2人は知人だった。(※は日の下に舛)
現場周辺は建物など視界を遮るものがなく、見通しの良い複線区間。特急の運転士は「警報機や遮断機は正常に作動し、下りていた遮断機の中に軽乗用車が入ってきた。ブレーキをかけたが間に合わなかった」と説明したという。
JR北海道によると、特急の乗客約210人はその場で降りてバスで苫小牧に引き返し、後続の列車に乗り換えた。この事故で、上り線は約5時間にわたって列車の運転を見合わせ、特急5本を含む19本が運休。約2000人が影響を受けた。【福島英博】