【衝撃事件の核心】元電通マンを「1億円横領犯」に転落させた「ギャンブル依存症」とは

 田中氏は一般論として、「幼い頃から厳しくしつけされ、偏差値教育など競争社会の中で生きてきたタイプは、世間の道徳やルールに縛られる。日々の生活に息苦しさを覚え、何もかも忘れられるものを求めてギャンブルにたどりつくケースがある」と説明する。

 ギャンブル依存症はこうした成育環境を要因とするケースのほか、「肉親にギャンブルや酒への依存症がある場合、陥りやすいという学説が出ている」といい、遺伝も要因となりうる。

 田中氏によると、ギャンブルをすると、脳内でドーパミンなどの神経伝達物質を生成して満足感や快感が得られるが、やり過ぎると、ギャンブルでしか快感などを得られない体質になってしまい、依存症に陥るという。

 道徳や順法意識よりも快楽が優先され、行動に抑制がきかず会社の金を横領するような不正行為を繰り返すようになる。思考回路も一般的な感覚と異なり、「一発大きく当たれば問題ない」と、ギャンブルの負けをギャンブルで取り戻そうと考えるようになるという。

 田中氏は「ギャンブル依存症は誰でもなりうる病気」と強調する。その上で「日本では“自己責任の欠如”という偏見が強いが、周囲が気づき、治療を受けさせるなどの仕組みを整えない限り、同様の事例は続く」と指摘した。

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