【衝撃事件の核心】元電通マンを「1億円横領犯」に転落させた「ギャンブル依存症」とは

 財団の通帳の残高チェックなどは規則上、上司の事務局長がすることになっていたが形骸化しており、実質的に小口被告が1人で経理を担当していた。

 捜査関係者によると、チェック態勢の甘さにつけ込み、小口被告は1回当たり約3万円と少額のカネを引き出していた。しかし、多いときでは1日に20~30回も引き出すことがあった。引き出した金は小口被告が競馬用に開設した口座に振り込んでいた。

 着服を始めた時期について、小口被告は「20年くらいからだ」と供述しているが、捜査2課は18年くらいから不正を行っていたとみている。22年までは年度末に他から金を借りて補填(ほてん)することで発覚を逃れていたという。その後は資金繰りが悪化したとみられ、23年以降は補填されることもなかった。

■ギャンブルの負けは、ギャンブルでと…

 動機については、小口容疑者の口からは明らかになっていないが、着服した1億円もの大金を競馬につぎ込む心理的背景には何があるのか。一般社団法人「ギャンブル依存症問題を考える会」の田中紀子代表理事は、ギャンブル依存症の可能性を指摘する。

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