【衝撃事件の核心】元電通マンを「1億円横領犯」に転落させた「ギャンブル依存症」とは

 大手広告代理店「電通」が出資して設立した公益財団法人「吉田秀雄記念事業財団」の預金80万円を着服したとして、元事務局次長、小口芳和容疑者(63)=住所不定=が10月5日、警視庁捜査2課に業務上横領容疑で逮捕され、東京地検に起訴された。元電通マンだった小口被告が横領した総額は約1億円。ほとんどを競馬につぎ込んでいた。その犯行態様からギャンブル依存症を指摘する声もある。「真面目」と評判だった元電通マンの“裏の顔”とは-。(太田明広、五十嵐一)

■夜間にこっそり忍び込みデータ削除

 東京・銀座のビル4階。今年3月のある深夜、吉田秀雄記念事業財団が入る部屋の明かりが突然ついた。誰もいないはずの時間帯に姿を現したのが小口被告だった。パソコンを起動させ、財団の経理に関わるデータを削除した。作業を終えると財団名義の通帳を持ち出し、2度とこの職場に姿を現すことはなかった。

 無断欠勤や遅刻とは無縁の小口被告が出勤しないことを不審に思った同僚が、携帯電話や自宅に電話をかけたが応答はなく、小口被告が扱っていた経理書類を確認したところ、預金口座と帳簿上の残高が合わないなど多額の使途不明金の存在が判明。小口被告の不正行為が明るみに出た。財団は直後に警視庁に被害相談し、7月には小口被告を懲戒解雇した。

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