炎を背にトウバ(左)と格闘するケベス=14日夜、国東市国見町櫛来の櫛来社 国東市国見町櫛来(くしく)に伝わる奇祭「岩倉社のケベス祭」(国選択無形民俗文化財)が14日夜、櫛来社(岩倉八幡社)境内であった。シダの山が数メートルの炎を上げる中、白装束に木彫り面の神「ケベス」と火を守る人「トウバ」たちがせめぎ合い、見物客を魅了した。 木の棒をやりのように構えて炎に突っ込もうとするケベスと、炎を背に棒で受けて押しとどめるトウバ。攻防の末、ケベスが突破し、燃え盛るシダを周囲に散らすと展開は一変。トウバたちが炎の固まりに棒を突き刺し、駆け回って見物客の頭上へかざすと境内は悲鳴と歓声で満ちた。 ケベス祭は秋の例大祭に開かれる宵宮祭で、起源は不明。火の粉を浴び、無病息災を祈るとされる。