国際ボート連盟「宮城は輸送手段などに大きな問題」

国際ボート連盟「宮城は輸送手段などに大きな問題」
4年後の東京オリンピック・パラリンピックのボート・カヌーの競技会場を都の調査チームが宮城県内に変更することなどを提案していることについて、国際ボート連盟は、NHKの取材に文書で回答し、「輸送手段や宿泊施設などに大きな問題が見られる。提案は、関連費用や周辺設備の不足など全体的な要素を考慮していない」という見解を示しました。
NHKは、国際ボート連盟に対して、東京・臨海部に新設する「海の森水上競技場」に競技会場を選定した経緯や、都の調査チームが提案している宮城県登米市のボート場の評価について質問状を送り、このほどマット・スミス事務局長が文書で回答しました。

この中で、競技会場の選定については、「東京都が2016年大会の招致を検討してきた9年前から選定のプロセスに関わってきた。海の森水上競技場には心から自信を持っている」と説明しました。

また、整備費が膨らんでいることについては、その妥当性を知るすべはないとしたうえで「会場の見直しを行った2014年11月に東京に来るよう要請があり、都が出してきた新しい予算案を検討した。そこには、競技場としての要素のほかに、東京都が継続して行っている臨海部の開発という要素も入っていた。だから整備費用の多くの部分はすでに始まっている臨海部の開発費用だと理解した」としています。

そして、都の調査チームが変更を提案している宮城県登米市のボート場については、「多くの理由から選択されなかった。輸送手段や宿泊施設の不足、会場設備などに重大な問題がある」としたうえで、都の調査チームは「変更した場合の関連費用や周辺設備の不足など、全体的な要素を考慮していない」という見解を示しました。