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撤去される実験船の「疾風」(左手前)と「ヤマト1」(右奥)=神戸市中央区波止場町、メリケンパーク
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撤去される実験船の「疾風」(左手前)と「ヤマト1」(右奥)=神戸市中央区波止場町、メリケンパーク

 神戸市中央区のメリケンパークに、「近未来船」として展示されてきた船体2隻が、神戸港開港150年に向けた同パークの再整備に合わせ、近く撤去されることが15日、分かった。2隻とも20年以上前に当時の最新技術を結集した実験船として造られ、後に陸上展示されていた。3年前の復元帆船「サンタ・マリア号」に続き、ミナト神戸を象徴してきたランドマークの一つが姿を消すことになる。(若林幹夫)

 神戸市が展示する超電導電磁推進船「ヤマト1」(全長約30メートル)と超高速船「疾風(はやて)」(全長約17メートル)。2隻とも流線形の船体が印象的で、神戸ポートタワー側からメリケンパークを訪れる観光客らを出迎えてきた。

 ヤマト1は、スクリューを使わずに電磁力で航行できる船として三菱重工業神戸造船所で建造され、1992年に初航海した。船体を浮かせて最高時速90キロで航行する疾風は、次世代の新たな海上輸送手段として複数の造船会社が共同開発した。それぞれ実験終了後に同市に所有が移り、96、97年に現在の場所に展示された。

 同パークは来年、神戸港開港150年記念事業のメイン会場となり、音楽祭や海の祭典「海フェスタ」が開かれる。撤去はイベントスペース確保のために行われ、2隻は廃棄処分となる予定。跡地はブロック舗装される。

 市みなと総局の担当者は「展示から20年がたち、最先端の造船技術を紹介する役割を終えた」としている。市は19日、撤去費用など約2億円を盛り込んだ2016年度補正予算案を開会中の市会定例会に提出する。可決され次第、撤去に着手する。

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