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 米財務省は14日、2016会計年度(2015年10月~16年9月)の財政赤字が前年より34%増の5874億ドル(約61兆円)となったと発表した。11年度以来、5年ぶりに増加した。企業収益の伸び悩みによる法人税の減収などに加え、医療保険制度改革(オバマケア)による社会保障費の増加などが響いた。

 米大統領選では、トランプ氏が大型減税やオバマケアの廃止を訴える一方、クリントン氏は富裕層増税やオバマケアの拡充を主張しており、財政赤字の拡大は議論になりそうだ。

 歳出は前年より5%増の3兆8541億ドル(約400兆円)、歳入は1%増の3兆2666億ドル(約340兆円)だっだ。財政赤字は国内総生産(GDP)比では3・2%となり、前年(2・5%)から悪化した。

 米国の財政赤字は、金融危機後の経済対策などで09年度にGDP比で10%を超えたが、その後は景気回復による税収増などで改善が続いていた。日本と同様、米国も高齢化で社会保障費の増加が見込まれており、財政赤字は今後増えると予想されている。(ワシントン=五十嵐大介

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