熊本地震から半年 行き先決まらぬ避難者からは不安の声

熊本地震から半年 行き先決まらぬ避難者からは不安の声
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熊本地震で大きな被害を受けた熊本県益城町に唯一残っている避難所では、地震発生から半年がたった今も、およそ100人が避難生活を送っています。今月末に避難所は閉鎖されることが決まっていて、閉鎖後の行き先が決まっていない人たちの間からは今後を不安に思う声が聞かれました。
益城町で唯一の避難所となっている町の総合体育館では、半年たった今もおよそ100人が避難生活を続けています。
このうち、益城町寺迫にある自宅が「大規模半壊」と判定された藤田光子さん(88)は、娘の文子さん(65)とともに避難生活を送っています。修繕をして、もう一度自宅で暮らしたいと考えている光子さんですが、修繕を頼む業者の順番待ちの状態が続いていて、自宅に戻るめどはたっていません。今月末に避難所が閉鎖された後の行き先は決まっていないといいます。

藤田光子さんは「避難所を出ないといけないことはわかっていますが、行き先が決まっておらず、言葉がありません。自分でこつこつ一生懸命仕事をして定年前に建てた家なので、解体したくありませんし、なんとかして、もう一度住みたいです」と話していました。
娘の文子さんは「地震から半年を迎えましたが、行き先が決まっていないので、不安な気持ちでいっぱいです。母のことを思い、心を痛めています」と話していました。

益城町によりますと、今も避難生活を送っているおよそ100人のうち、今月末の避難所の閉鎖のあと、行き先が決まっていない人は20人余りいるということです。益城町は、行き先が決まっていない人に対し、聞き取り調査をしたうえで、仮設住宅やみなし仮設住宅への入居を勧めるなどしたいとしています。

益城町で犠牲者を追悼

益城町では、犠牲者を追悼する法要が営まれました。
この法要は地元の若い僧侶たちで作るグループが開きました。益城町では災害関連死も含め23人が亡くなっていて、町の文化会館で行われた法要には、地元の人などおよそ60人が参列しました。
この中でおよそ25人の僧侶たちがお経を読み上げ、参列した人たちは地震で亡くなった人たちを追悼しました。
80代の女性は「知り合いの娘さんが地震で亡くなり、お参りをしたいなと思って来ましたが、きょうは地震から半年なので、地震で亡くなられたすべての人たちのことも追悼したいと思います」と話していました。
また、70代の男性は「亡くなった方たちを追悼したいとの思いで足を運びました。熊本地震で100人以上の方が亡くなられ改めて残念な思いでいっぱいです」と話していました。