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 熊本地震の被害で全区間の4割しか運転が再開できていない南阿蘇鉄道の不通区間で15日、線路上を歩いて早期復旧を願う「復興ウォークラリー」があった。

 秋風がそよぐ中、熊本県南阿蘇村の中松―長陽駅間(5・8キロ)の電車道を、阿蘇の山並みを背景に黄金色の稲田や草原を眺めながら歩いた。土砂崩れや線路が浮き上がった場所の前では、参加者は立ち止まってのぞき込むなどしていた。

 広島市からボランティアに来ている吉岡秀行さん(60)は「夏場、線路の草刈りを手伝った時、おばあさんに『病院に通えない』と話しかけられた。早く復旧してほしい」と話した。

 ウォークラリーを発案した同村の板金業、渡辺賢司さん(36)は「南鉄(南阿蘇鉄道)で高校に通った。何度も企画して、子供たちにも歩いてもらい、鉄道の大切さを知ってもらいたい」と話していた。(東野真和