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【ゴルフ】

石川遼が4打差14位に浮上

2016年10月15日 紙面から

大勢のファンが見守る中、9番でラフから第2打を放つ石川遼=埼玉・狭山GCで(開出牧撮影)

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◇日本オープン<第2日>

 ▽14日▽埼玉県入間市、狭山GC(7208ヤード、パー70)▽晴れ時々曇り、17・6度、北北東1・2メートル▽賞金総額2億円、優勝4000万円▽119選手(うちアマ15人)▽観客9534人

 61位で出た石川遼(25)=カシオ=は5バーディー、2ボギーでベストスコアの67をマークし、通算2オーバーで首位と4打差の14位に急浮上した。石川と同組で回った今季日本ツアー初陣の松山英樹(24)=レクサス=は70でまとめ、通算1オーバーで8位。3年連続出場で世界ランキング6位のアダム・スコット(オーストラリア)は74をたたき、通算10オーバーで初めて予選落ちした。67をマークした李京勲(イ・キョンフン)とH・W・リューの韓国勢2人が通算2アンダーで首位に並び、矢野東(39)ら2人が1打差の3位で続いた。

 球がカップに消えた瞬間、石川は秋空を見上げ、大きく息を吐いた。前半のインスタート、15番。5・5メートルのパットが決まり、「やっと日本オープンが開幕したと思った」。計24ホール目で初めてバーディーを奪い、安堵(あんど)の笑みを浮かべた。「その感じ、分かるよ(笑)」とスコットに“同情”されると、今度は大きく笑った。たった1つのバーディーが、悩みも、苦しみも押し流してくれた。

 17番で4メートルをねじ込んでパーセーブした。折り返した1番では2・5メートルのパーパットを沈めた。微妙な距離のパットを決して逃さず、「リズムを作れた。自分のゴルフではそこが大事」。集中力が高まり、勢いづいた。

 2番パー3。1打目をピンそば2・5メートルにつけバーディーを奪った。4番では2打目を2メートルに寄せて、スコアを伸ばした。だが、5、6番を連続ボギーにし、一転して危機を迎えた。このまま後退してしまうのか…。

 直後の7番。「このフェアウエーは狭すぎる」とスコットもうなった難度の高いコース設定にも動じず、石川はドライバーを豪快に振り抜いた。一直線に飛んだ球はフェアウエーに着弾した。手放しかけた流れを引き戻した、価値ある一打だった。

 「ボール1個の幅を通していくようなティーショット。あれでズルズル行かず、断ち切れた」。その7番で5メートル、8番で2メートルを沈めた。「ベストを尽くすしかない」。危機感と競争意識の中で奪った連続バーディーは決して偶然ではなかった。

 ギャラリーは9534人。初日は緊張を呼んだ大声援が、この日は心地良かった。「英樹は最終日に上位に行くと思う。自分はもう一回、頑張らないといけない」。夢の競演を、予選ラウンドだけで終わらせるつもりはない。 (松岡祐司)

 

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