トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

DeNA、完封リレー返しで雪辱

2016年10月15日 紙面から

広島−DeNA 8回裏2死満塁、新井の邪飛をDeNAの右翼手梶谷が好捕する=マツダスタジアムで(佐伯友章撮影)

写真

◇セCS ファイナルステージ<第3戦>DeNA3−0広島

 DeNAは4回にエリアンの2ランで均衡を破り、5回は2死一、三塁から梶谷の右前打で1点を追加した。井納は直球に力があり、厳しいコースを突いて7イニングを3安打無失点の好投。9回は山崎康が3人で抑えて逃げ切った。広島は黒田が5イニング3失点で流れを呼べなかった。打線は1番田中の4度の出塁を生かせなかった。8回は2死満塁で新井が凡退。

      ◇

 シリーズの流れを変えるビッグプレーかもしれない。DeNA3点リードの8回2死満塁、広島の新井が右翼ファウルゾーンに打ち上げたフライを、梶谷がダイビングキャッチ。「無我夢中でボールしか見えていなかった」。骨折している左手薬指を地面に強打したうえ、勢いあまってフェンスに激突したが、決してボールは離さなかった。

 白球をもぎとったグラブには大きな穴が空いていた。昨季から愛用してきた相棒だ。「もちろん切りたくなかったけど…」。まとめてテーピングで固定した薬指と小指を突っ込むため、ファイナルステージの前に泣く泣くはさみを入れた。

 ファーストステージ第3戦で死球を受け、左手薬指は骨折。それでも患部を固定し、直訴して出場を続ける。「もう折れてるから、次折れたってどうってことない。根性ですよ」。通常1錠の痛み止めを試合前に4錠服用し、「飲み過ぎてボーッとしちゃう。逆にまったく緊張しないからいいかも」と笑う。

 バットでも、今ステージ初勝利に大きく貢献した。2点リードの5回2死一、三塁。目の前で筒香が敬遠気味に歩かされて燃えた。「もう両手で振ったろう!」。痛む左手がフォロースルーで自然と離れる場面が目立つが、痛みをこらえて両手で振り切る。黒田の142キロをライナーで右前へはじき返し、貴重な追加点をもたらした。

 島根県出身で少年時代はカープファン。かつては広島市民球場に応援に訪れたこともある。この日は3戦目にして初めて両親が観戦。「冷や冷やして見ていたと思うけど、良いところを見せられてよかった」と喜んだ。

 捕球の際に地面に着いた指は「なんとか大丈夫」。崖っぷちで1勝をもぎとったが、勝つしかない状況は同じ。奇跡を起こすには、ラミレス監督も「ファイター」と認める背番号3の活躍が不可欠だ。 (小林孝一郎)

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ