鈴木尚広選手が引退!
スペシャリストを育てるとはどういうことなのか?
〇走塁の神、ジャイアンツの鈴木尚広選手が引退!
個人的に非常に好きな選手であるジャイアンツの鈴木尚広選手が今シーズン限りでの引退を発表しました。
今シーズンも代走の切り札。
盗塁成功率100%で10盗塁。
私としては当然来季も現役を続けるものだと思っていただけに非常に残念です。
私たちには気が付かないレベルで、自身の中で衰えを感じた部分があったのかもしれません。
彼はプロ野球ファンであれば誰もが知っている走塁のスペシャリスト。
もし野球がバッティングと守備だけのスポーツであったならば、彼は20年も現役を続けることは絶対できなかったと言えます。
その彼を見出したのが、記事でも触れられていますが、前ジャイアンツ監督の原辰徳氏です。
鈴木選手は「原前監督に出会っていなければ、今の僕は絶対に存在しない」と述べています。
〇スペシャリストを育てるということ
鈴木選手は走塁という個性を見出されて輝きを放つことができました。
では中学校野球部ではどうでしょう?
私はスペシャリストを育てるということはあまりしたくありません。
もちろん、攻走守全てをまんべんなく指導した上で、「君はバッティングが得意だからその長所を伸ばしていこう」ということはままあります。
しかし、「君は走塁のスペシャリストになれ」と言うことはほぼありません。
なぜなら、彼らには高校野球でもっともっと活躍して欲しいからです。
それでも私はスペシャリストを二人育てたことがあります。
一人はピッチャーとして、もう一人は鈴木選手と同じく走塁のスペシャリストとして育てました。
ピッチャーの子の話は実は以前少ししています。
この変則投手の育成で紹介した子です。
ファーストだった彼は足が遅く、バッティングもいまいちだったため出場機会に恵まれずにいました。
しかし投げ方がキレイでストライクが取れる。
そこに活路を見出した私が「高校ではピッチャーは無理かもしれないけれど、中学でなら頭を使えば活躍できる」と話をしたところ、それ以降毎日必死に努力をして、変則投手として二枚看板にまで成長しました。
もう一人は中学校から野球を始め、何事も一生懸命なんだけれども残念ながら運動神経に恵まれず、守備もバッティングもいまいちだった子です。
この子も自分が出場機会に恵まれないのは分かっていて、自らベンチの盛り上げ役を率先してやるような子でした。
彼は足もそれほど速くはありませんでした。
しかし、あるとき気づいたのですが、50mや100mだと遅い彼は27mの塁間だと速い方に入るのです。
しかも彼は非常に思い切りがいい。
そこで、2年の冬に「代走のスペシャリストにならないか?」と話をしました。
彼も最初は「え?自分が?」というリアクションでしたが、先に挙げた理由を説明すると、目を輝かせて「ぜひやらせてください」と返事をしました。
彼にはマンツーマンで走塁の指導をし、練習試合では必ず代走で出場させました。
アウトになってもいいから絶対に盗塁を試みるというルールを決め、ひたすら繰り返し、彼は代走のスペシャリストになっていきました。
いつの間にか、周りが彼を見る目も変わっていました。
〇選手のモチベーションを上げるためのスペシャリスト育成であるべき。
そのように、選手のモチベーションを上げるためのスペシャリスト育成であれば、中学生でも行って良いのではないかと思います。
学級経営でも、なかなか自分の居場所を作れない子に特別な係をお願いすることがありますよね?
そのような感覚で良いと思います。
選手の居場所を作るためのスペシャリスト育成。
鈴木選手は原前監督のおかげで輝くことができました。
みなさんのチームにも鈴木選手のような原石がいないか探してみてくださいね。
最後になりますが鈴木選手今までお疲れ様でした!
今後の人生も輝きを放つことを期待しています。
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