【今だから明かす あの映画のウラ舞台】文芸編(下) 思い入れ深い「蔵」「鉄道員」 健さん復帰作に粋なサプライズも (2/2ページ)

2016.07.08

健さんの着用したコートは亡き父を思わせた
健さんの着用したコートは亡き父を思わせた【拡大】

  • <p>「蔵」(DVD発売中、2800円+税、販売:東映、発売:東映ビデオ)</p>
  • <p>「鉄道員」(ブルーレイ発売中、4700円+税、販売:東映、発売:東映ビデオ)</p>

 定年間際という主人公に、福永も間もなく定年を迎える自身をオーバーラップさせ、一層気合が入った。しかし東映復帰という話題はあっても高倉に昔ほどの集客力は望めないと思った。

 そこで製作委員会に入っている朝日新聞、テレビ朝日以外に、福永自らFM東京、日販、集英社と交渉。岡田茂会長の陣頭指揮でJRグループまでも巻き込んでいった。

 ラストで流れる江利チエミの「テネシーワルツ」は、降旗康男監督が高倉に内緒で挿入したサプライズだ。「私も試写まで知らなかった。健さんとチエミさんのことを知るファンにはジーンときたのでは」

 もうひとつ、福永にとって忘れられないことがある。59歳で逝去した父が旧鉄道省出身とあって、高倉が劇中で着ていた厚手のコートと帽子を父の形見としてしばらく保管していたのだ。

 「事務方だった父も、ぽっぽや魂を持っていた。私もその影響で幼い頃から熱烈な鉄道ファンだったので、その思いも宣伝に込めた」 (敬称略)

 ■福永邦昭(ふくなが・くにあき) 1940年3月17日、東京都生まれ、76歳。63(昭和38)年、東映に入社。洋画宣伝室や宣伝プロデューサー、宣伝部長、東映ビデオ取締役を経て、2002年で定年退職。一昨年、「日本元気シニア総研」に参加し、研究委員、シニアビジネスアドバイザーの資格を取得。

 

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