【DeNA】井納、7回無失点!誓う「4連勝」
2016年10月15日6時0分 スポーツ報知
◆マツダ クライマックスシリーズ セ 最終S第3戦 広島0―3DeNA(14日・マツダスタジアム)
チームの浮沈を一身に担う責任感が、エースに大きな力を与えた。負ければCS敗退決定という一戦で、井納が7回を3安打無失点と好投した。「もう負けられないという中で、いい意味で開き直って投げられました」。CS第1S初戦に続く白星で、チームにCS最終S初勝利を呼び込んだ。
謎の言動を連発する宇宙人には、大舞台がよく似合う。前日の試合後、絶好調の広島・田中に対して「甘いボールを仕留めているだけ。コースに投げきれば大丈夫」と自信をのぞかせていた。そしてこの日。初回、先頭の田中に甘く入った直球を痛打された。普通なら動揺するところだが「強気に攻めることができました」。表情ひとつ変えず、その後のピンチをしのいだ。
4回の打席では、なぜか打席に入る準備をしておらず、大急ぎで打席へ。さらに、構えようとして振り上げたバットが手からすっぽ抜けて宙を舞う―という不思議なワンシーンも見せた。6回にはボール球に手を出した上でスリーバント失敗。試合後には、坪井打撃コーチに「『バントができませんでした、反省してます』って報道陣の前で言え!」といじられた。
さらに「(今永)昇太に絶対に回すんだと約束して、きょうの試合に臨んだ。いい形で明日、渡せたことは十分、満足です」とポロリ。15日の第4戦は今永の先発が確実だが、セのCSは予告先発制ではない。それでも「みんな分かってるでしょ!」と悪びれなかった。
「奇跡と言われるかもしれないけど、ここから4連勝して日本シリーズに行きたい」。ヒーローインタビューで口にした言葉も、この男から聞くと不可能ではない気がするから、やっぱり不思議だ。(片岡 泰彦)