西日本旅客鉄道(JR西日本)は12日、北陸新幹線の4~9月の利用者数が前年同期比10%減だったと発表した。9月単月では11%減。開業効果の一服感がみられた。来島達夫社長は同日の記者会見で「年間の全体の収益計画の中ではもう少し上向く予想を立てている」と指摘。「満足できる状況ではない」として、利用者数の底上げに取り組む姿勢を示した。
同社は10月から北陸3県と連携して魅力的な夜の過ごし方を提案する企画や、東日本旅客鉄道(JR東日本)と共同で美食をテーマにした企画などを実施している。来島社長は誘客増に向けて「やれる手立てはまだまだあると思う」とし、「引き続き昨年の数字を目指していきたい」との意気込みを示した。
一方、北陸新幹線の敦賀以西の延伸ルートについて、滋賀県が3ルートの独自試算を出したことを聞かれ、「どういう前提で(数字を)はじかれたのかはわかりかねる」と発言。その上で、現在、国土交通省が建設費や経済効果などを試算しており、「そうしたデータをもとに国の中において議論が進むことを期待している」とした。