松竹の「男はつらいよ」に対抗して製作された「トラック野郎」。27年間続いた「寅さん」の48作に対して「トラック野郎」は5年で10作。
商魂たくましい東映だけに「面白いことはなんでもパクっちゃえ」。そのひとつが毎回入れ替わるマドンナの存在。中島ゆたかに始まり、島田陽子、夏目雅子、原田美枝子ら人気女優がスクリーンを彩った。
シリーズ第2弾「爆走一番星」に出演したあべ静江のエピソードは豪快だ。彼女が酒豪と知らない文太は飲みに誘い、西麻布のクラブで高級ブランデーをご馳走したが、彼女は顔色ひとつ変えずに飲み干した。
「文太さんは“男は騎士(ナイト)、女性を家まで送り届けなければ”と一緒にタクシーに乗ったものの自分が酩酊。彼女がどこで降りたかも覚えていなかったそう」
翌日、文太はあべに平謝りだったとか。
■福永邦昭(ふくなが・くにあき) 1940年3月17日、東京都生まれ、76歳。63(昭和38)年、東映に入社。洋画宣伝室や宣伝プロデューサー、宣伝部長、東映ビデオ取締役を経て、2002年で定年退職。一昨年、「日本元気シニア総研」に参加し、研究委員、シニアビジネスアドバイザーの資格を取得。