「その島はフランス語しか通じなかったが、身振り手振りで何とかなった。知世は毎日感動の連続と言って、一層の笑顔で撮影に臨んでいた」
東芝は映画のイメージに合わせたWデッキラジカセ「SUGAR」のキャンペーンを大展開。ポスターや雑誌広告、知世が歌う映画主題歌を入れたCMを大量投下した。当時としては珍しい、5枚連作の駅構内の大型ポスターが、何度も盗難にあった。
映画の評判も上々。薬師丸ひろ子主演「Wの悲劇」(澤井信一郎監督)との2本立てで大ヒットした。
「海外ロケがこれほど宣伝に活かされたのは極めてまれ。ひろ子と知世のカップリングも功を奏した。ちなみに東芝のラジカセも爆発的に売れ、マーケティング担当者が表彰されるというおまけまでついた」 (敬称略)
■福永邦昭(ふくなが・くにあき) 1940年3月17日、東京都生まれ、76歳。63(昭和38)年、東映に入社。洋画宣伝室や宣伝プロデューサー、宣伝部長、東映ビデオ取締役を経て、2002年で定年退職。一昨年、「日本元気シニア総研」に参加し、研究委員、シニアビジネスアドバイザーの資格を取得。