2016年10月14日

◆ 続・三浦九段の不正疑惑(将棋)

 前項 の続き。もっと細かい話をしよう。次の2点。
  ・ 棋譜による分析
  ・ 将棋連盟の対処

 ──

 前項では多大なアクセスが来た。1日で 3万6千を越えた。本サイト始まって以来の大量アクセスだ。( 豊洲市場の項目 は、このアクセス数になるまで、数日かかった。)
 そこで、読者の要望に答える形で、足りない情報を補足しよう。

  ※ 前半は、将棋マニア向けの棋譜分析。
    後半は、一般人向けの社会論。

 棋譜の分析


 棋譜の分析が足りないという声があったので、解説しよう。「上級者ならば見ればわかる」と思ったので、解説しなかったが、初心者にはわからないようだ。そこで、初心者向けに、解説する。

 (1) 三浦・久保戦

 まず、三浦・久保戦だが、これは、初心者でもすぐにわかるはずだ。
  → 久保利明九段 対 三浦弘行九段


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 62手目 △6七歩成の局面。
 先手は強力な美濃囲い。後手は王様が裸で、近くには金銀がいない状態。敵の金と味方の金がにらめっこしているが、差し引きすると、王様が一人で孤立している状態だ。裸の王様だね。寒そうだ。こんな状態で、開戦して、コマのやりとりをすれば、あっという間に後手は負けそうだ。特に、先手の角が王様を睨んでいることを思うと、とても開戦には踏み切れまい。まずは防御を固めるのが常識だ。
 ところがこの状態で、「△6七歩成」を選択した。こういうことは、人間では、まずありえない。あるとしたら、ずっと先まで見通している場合だけだ。ずっと先の分岐まですべて読み切っているのでなければ、人間ならば開戦には踏み切るまい。
 ところが、後手はそれをやった。これはつまり、ずっと先の詰みのあたりの局面まで、この時点ですべて読み切っていたということになる。(そうでなければこんな危険なギャンブルはしない。)
 ここで、「△6七歩成」という手を思い浮かべること自体は、人間でも容易だ。しかし、この時点で最後の詰みまで、すべての分岐を読み切るということは、コンピュータ以外ではまずできまい。
 このようなとてつもなく危険な道に、あえて踏み込んだということは、三浦九段の頭脳は「1秒間に数千万手の分岐を読み切る」という能力を持っていたことだ。そんなことが本当にあるのだろうか? 

 (2) 三浦・渡辺 戦

 三浦・渡辺 戦の棋譜は、下記にある。
  → ▲三浦弘行九段 × △渡辺明竜王

 これについて分析している人がいた。
  → 三浦 x 渡辺の対局を本当に「ソフト指し」と断定してもいいのか

 この解説とは異なるが、ともかく本サイトでも一般人向けに解説しよう。
 
 棋譜を見てわかるのは、次のことだ。
 「コマをポイと捨てることで、どんどん優位になっていく」
 ま、こういうことは、普通の将棋でもときどきある。たいていは「妙手だ」と感心される。しかし、そういうことは、ちょいちょいあるものではない。だから妙手なのだ。
 ところが、この棋戦では、妙手が次々と連発される。以下、見てみよう。

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 これは、▲4五歩と跳ねたあとで、△4四歩によって、「歩の高跳び歩の餌食」となった局面だ。▲4五歩と跳ねるのは、一つの作戦だが、それがさっそく、駒損となって現れる形だ。ここでは明らかに駒損となっている。
 ところが、7手進んでみると、次の局面となる。

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 この時点で、先手は桂損だが、馬ができて、歩を3枚もっている。一方、後手は桂得だが、歩を3枚失って、防御が傷だらけであるのが痛い。
 驚くべきことに、この時点で、先手が圧倒的に有利となっている。このあと、先・後ともにコンピュータ同士で戦えば、まず、先手が確実に勝つ。つまり、この時点で将棋はほぼ決まってしまっているのだ。
 こんなにうまいことをやるなんて、めったにないことだ。将棋の定跡として定着しそうなものだ。三浦九段はものすごく創造性があることになる。これはまるでコンピュータみたいな斬新さだ。
 しかしまあ、妙手が一つあるだけなら、人間でもときどきあるから、あまり気にしないでおこう。

 その後、次の局面となる。
 51手目、▲7五歩。

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これはちょっととぼけた手に見える。何を狙っているのか? ちょっと見ると、「同歩」と取られたあとで、▲7四歩で桂を取ろうとしているように見える。それで7四歩という拠点を作られるのはまずい。そこで、後手は △6五桂 と跳ぶことになる。これが7七の銀当たりになるから、うまい手だ。後手は桂得から銀得になるチャンスだ。
 逆に言えば、先手の▲7五歩は、あとで銀損をもたらすから、とても有利な手には思えない。普通ならば、まず指さないだろう。ところが、先手はその手を指した。そして、その後にまさしく銀桂交換が発生した。最初の桂損が銀損に化けた。損得計算は、後手が圧倒的に得だ。
 これを見ても、先手の▲7五歩は悪手だと見える。

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 さて。この△7七桂成のあとで、このコマを取った先手の桂は、さらに▲8五桂と跳ねる。これは桂のタダ捨てだ! すでに銀損をしているのに、さらに桂損をしようとする。

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 ところが、これが妙手なのである。この桂を飛車で取れば、▲7四歩から、飛車交換が発生する。(それを免れようとすると、▲7三不成となって、さらにまずいことになる。)そして、仮に飛車交換が発生すれば、後手は陣地内に飛車を打たれて、たちまち崩壊しそうだ。
 それがわかっているので、後手はこのタダ捨ての桂を取れない。つまり、このタダ捨ての桂は、妙手なのだ。損することで、得をする。しかも、ここでは、先の▲7五歩の効果が生じている。
 
 ともあれ、後手は妙手を避けて、桂を取らずにおいた。すると、4手後に、先手はとんでもない手を打つ。▲5五桂だ。

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 これは、見た直後には、理解しにくいだろう。しかし、4手後に、その意味がわかる。銀が逃げたあとの空白に桂を成るのだ。つまり、桂のタダ捨てである。

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 何とも呆れる手だ。せっかく5五に打った桂が、4手後にはタダ捨てとなる。ところがこれが妙手なのである。この成桂を放置すれば、この成桂が角を取った手が王手となるので、後手はこの成桂を取るしかない。しかし、後手がそうすれば、先手は飛車で8五の銀を取る。そうなったら、後手は飛車交換を受け入れるしかない。(抵抗しようにも、歩切れが痛い。) そして、飛車交換になったら、後手は飛車を打たれて崩壊する。
 ということは、上の局面(計のタダ捨てをした局面)で、将棋はすでに完全に終わっているのだ。ソフトの評価値を見ても、この時点でもはや「後手は詰んだ」と判定しているのも同然だ。
 渡辺竜王(後手)もまた、この時点で「負けた」と判断したはずだ。
 と同時に、唖然としたはずだ。「桂のタダ捨てで勝負が終わるだと? 何だこれ?」
 
 結局、最初から最後まで、先手は途方もない妙手の連発である。4五の桂のタダ捨て。銀桂交換による銀の丸損。8五の桂のタダ捨て。6三の桂のタダ捨てによる終局。
 これほどにも妙手を連発するなんて、人間業ではない。しかも、である。これほどの妙手を連発するということを、先手は 51手目の ▲七五歩 の時点で読み切っていたはずなのだ。だからこそ、▲七五歩 という、一見とぼけた手を選んだのだ。(ちょっと後の銀損を含みに。)
 滅茶苦茶な妙手を次々と乱発していながら、そのすべてを用意したのは、一見してとんでもなく平凡な凡手と見える手なのである。

 以上のことから、何がわかるか? 「先手が後手に最終的に圧勝した」ということか? 違う。そんなことなら、人間同士の手でもときどき起こる。大事なのは、次のことだ。
  ・ とてつもない妙手をいくつも連発する。
  ・ その妙手を用意したのは、ひどく凡庸に見える手である。
  ・ 最終的に、先手陣はまったく手つかずで、後手陣は完全崩壊。


 《 加筆 》

 さらに重要なことがある。「妙手がある」ということなら、普通の将棋でもしばしばある。ただし、そのような妙手は、人間ならば双方が見出していることが多い。「王手飛車取りになるので妙手だろう」と思えることはしばしばあるのだが、「よく読んだら、王手飛車をした方が詰んでいる」というのが通常だ。
 要するに、通常ならば、「妙手は両者(先後)がともがともに見出している」というふうになる。片方だけが見出すということ(真の妙手である)ことは滅多にない。
 ところが、この対局では、そういうことが何度も起こっている。つまり、「三浦だけが妙手を見出して、渡辺の方は妙手を見落としている」ということが何度も起こっている。まったく不思議なことに。
         (加筆、終り。)

 ここから結論できるのは、次のことだ。
 「先手は後手に対して、圧倒的に棋力が上である。レーティングで、400〜500ぐらい(あるいはもっと)上である」


 このことが判明する。つまり、三浦九段は、渡辺竜王を奨励会扱いしてしまうほどに、圧倒的に高い能力を持っている、ということだ。要するに、彼の指した手は、人間レベルの手ではない、ということだ。個別の一つ一つの手だけなら、人間でも指せるかもしれない。しかし、上記の妙手のすべてを体系的に指せるとしたら、三浦九段は人間離れした(ほとんど機械のごとき)能力の持ち主だ、ということになる。
 ※ 比喩で言えば、人間同士のボクシングに、鋼鉄で殴るようなもの。

 これを見れば、判断は次の二者択一だ。
  ・ 三浦九段は、渡辺竜王を圧倒する超人的な能力を持つ
  ・ 三浦九段は、コンピュータから不正に教わった。

 このどちらを採るかは、各人の勝手だ。とはいえ、このどちらかしかないということは、プロならば一目瞭然なのだ。

橋本 崇載 @shogibar84
ファンには酷な知らせと思うが、個人的にも1億%クロだと思っている。奴が除名になるかどうかは知らないけど、俺は二度と戦う気しない。以前からソフト指し、モラル、カンニング、再三警鐘を鳴らしてきたつもりだが、最悪の形になりただただ残念だ。これでも潔白を信じるという人はどうぞご自由に。
10月13日(木) 14:18:57


 橋本・八段は、こう語った。彼にとっては、上の二者択一しかないということは、明々白々だった。
 その上で、「三浦九段は、コンピュータに教わった」ということを否定したいのであれば、「三浦九段は、渡辺竜王を圧倒する超人的な能力を持つ」ということを受け入れるしかない、と結論した。
 そして、そのこと(三浦九段が超人であること)が事実であるかどうかは、日頃に対局をしているプロ棋士ならばはっきりとわかる。だから彼は、
 「これでも潔白を信じるという人はどうぞご自由に」
 と言ったのだ。無知な人には何を言っても無駄だ、と思ったのだろう。

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 [ 付記 ]
 別の対局の棋譜もある。
  → 竜王戦挑戦者決定三番勝負 第3局

 やはり、似た印象を受ける。8筋を受けないというのは、はるか先まで完全に読み切っていたからだ、と推察される。
 このような指し方も、「ずっと先まですべて読み切る」というコンピュータに特有の指し方だ。
( ※ 人間ならば、自分の見落としの可能性を考えて、こんな危険な最短距離を選ぶはずがない。「完全に読み切っている」という自信がなければ、指せない指し方だ。)

 将棋連盟の対処


 将棋連盟の対処については、苦言が多い。
 「あいまいな根拠で処分するな」
 というものだ。
 初めのあたりで紹介したブログもそうだし、前項のコメント欄でもそうだ。白黒をはっきりとさせないまま処分を下したことを、非難する声が多い。
 しかし私は、将棋連盟の措置は妥当だ、と思う。

 多くの人は、「あいまいな根拠で処分を下すと、無実の人が処罰されることになり、かわいそうだ」と思うのだろう。そういう正義感があるのだろう。
 しかし、残念ながら、三浦九段は真っ黒だ。プロならば誰でもそれが理解できる。
 とすれば、「あいまいな根拠で処分しない」としたら、次の二者択一しかない。
  ・ 何も処分しない。(事件はなかったことにする。)
  ・ 白黒の決着を付ける。(はっきりと決める。)


 多くの人は、「後者が妥当だ」と思う。白でも黒でもはっきりと決着と付けるべきだ、と思う。しかしそれは、素人考えだ。
 プロの目で見れば、三浦九段は真っ黒なのである。とすれば、「白黒をはっきりさせる」ということは、「真っ黒だ」と決めつけることになる。その場合は、こうなる。
  ・ 三浦九段は完全に黒だと断定されて、追放される。
  ・ 将棋連盟は、不正を放置していたとして、大批判される。

 つまり、三浦九段も将棋連盟も、大きな傷を負う。また、竜王戦は、不正をなした人が戦うことで、とてつもない不名誉を負う。

 一方、あいまいな処分にすれば、こうなる。
  ・ 三浦九段は、やや黒なので、短期間の出場停止だけ。
  ・ 将棋連盟は、世間から大きく批判を受けることもない。

 こうして、あいまいなまま、どちらも深く傷つかずに済む。

 ──

 ひるがえって、「白黒の決着を付けろ」というのは、素人にとっては面白いショーになるだろうが、三浦九段も将棋連盟もひどく傷を負う。
 最悪の場合、三浦九段が自殺してしまう可能性もある。それは十分に考えられる。何しろ、笹井さんという前例がある。

 世間というものは、やたらと騒ぎ立てるものだ。STAP細胞騒動を思い浮かべるといい。「誰かが不正をした」となると、人が自殺するまで攻撃をやめないのである。いや、一人が自殺しても、まだ攻撃をやめなかった。最後まで小保方さんを攻撃し続けた。

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 こういう例があるからには、今回もまた同様だろう。つまり、「白黒をはっきりさせた」場合には、世間はずっと攻撃の手をやめないだろう。たぶん、「黒だ」となった人が自殺するまで。
 そのことは、はてなブックマークのコメントを見てもわかる。彼らは、STAP細胞騒動のときにも、正義感を振り回し続けたし、今回もやたらと正義感を振り回している。「将棋連盟はけしからん」というふうに非難している。
 で、このあと、「不正はあった」と判明したら、その攻撃は、特定個人に襲いかかるに決まっている。
 こういう馬鹿げた騒動はやめるべきだ、と思う。

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 ──

 実は、私が前項を書いた目的も、そのことにある。世間がやたらと過熱すれば、「白黒を決着させろ」と言うだろう。また、三浦九段は「私は潔白だ」と言い張って、法廷闘争に持ち込むだろう。全面対決。そのすえに待っているのは、一人の命の犠牲かもしれない。
 そういう事態を何としても避けたい、というのが、私の願いだ。
 だからこそ、三浦九段には、「法廷闘争なんかはやめた方がいい」と忠告したい。「黙って処分を受けてから、あとで復帰すればいい」と忠告したい。

 そして、現時点で、三浦九段は完全に沈黙を守っている。仮に彼が不正をしていないのであれば、大々的に「私は潔白です」と訴えて、記者会見を開いただろう。一方、彼が不正をしたのであれば、大々的に「私は潔白です」と訴えて、記者会見を開いたあとには、身の破滅しか残っていない。そういう道を選ぶことだけは避けてほしい、というのが私の願いだ。
 そして、その私の願いは、かなり実現しつつあるようだ。というのは、三浦九段は、「私は潔白です」と訴える記者会見を開いていないからだ。

 結論。

 このまま穏やかに事件が収束することを私は願う。
 「白黒をはっきりとさせよ」というふうに事件を拡大させること(炎上騒動を起こすこと)には、反対する。
 
 三浦九段については、私は推測したが、すべては推測だけだ。このまま、「推測だけがあり、証拠は何もないまま、穏やかに収束する」という決着を望む。

( ※ ただしこういう態度は、2ちゃんねらーと、はてなーには、大不評となるだろう。彼らの目的は、炎上だけだ。放火魔みたいなものですね。)



 [ 補足 ]
 反論があった。

 これに答えておこう。

 (1)
 「角換わりの桂跳ねは研究手だ」
 その可能性はあるが、自分で考えたというよりは、「事前にコンピュータと戦うことで、コンピュータが教えてくれた手だ」と見なす方が妥当だ。「自分で発見した研究手だ」というよりは、「コンピュータに教えてもらった研究手だ」と見なす方が妥当だ。
 ただしこれは、「ルール違反」ではない。他にもやっている人はいるだろう。実は、おおっぴらに「コンピュータに教えてもらった手です」というのを指した棋士もいる。(電王戦で現れた新手。)
 ともあれ、「研究手だ」というのはその通りかもしれないが、「コンピュータに教えてもらった手ではない」とは言えない。
 ただ、現実的には、「対局中にソフトを見て教えてもらった手だ」と考える方が妥当だろう。
 なお、「角換わりの桂跳ね」自体は、特別な手ではない。そこから馬成に至るまでの手が、特別な手だ。(新定跡?)
 これは、三浦九段らしい手ではないね。そこに不自然さを感じるプロ棋士が多かったのだろう。

 (2)
 「歩成りも持ち駒と渡す駒を考えればプロ棋士なら踏み込めると判断できるはず」
 6七歩成ですね。
 そりゃ、「判断できる」ぐらいのことはそうでしょう。研究室でも上がっていた手だし。ただし、「踏み込める」と「踏み込む」とには、大きな違いがある。「踏み込める」のは、可能性を信じるだけでいい。五分五分の見通しならば、踏み込める。しかし、実際に踏み込むのには、五分五分では足りない。「最も勝利の確実性が高い」となる必要がある。リスクを減らす必要がある。このリスクを減らすには、「ずっと先まできちんと漏れなく読み通す」だけの棋力が必要だ。
 ま、羽生がやったのなら、誰も不思議には思わないだろう。しかし、B級相手に負け続けているような三浦九段がやったのなら、信じる人は少ない。「ずっと先まできちんと漏れなく読み通す」だけの棋力のある人が、どうしてB級相手に負け続けているんだ?
 この二つの点を合わせて考えるといい。この局面だけを取りだしても駄目なんだよ。(この局面だけなら、羽生ならば歩成は成立する。しかし、三浦九段には成立しない。)
 


 【 関連項目 】

 ついでだが、笹井さんの死が何をもたらしたかについては、次の項目に記した。
  → 人工透析より iPS の腎臓(しかし……)

 人工透析の費用がかかるとか、腎臓の移植が望ましいのに実現しないとか、いろいろな議論が出ている。しかし、笹井さんの研究が実を結んでいれば、iPS細胞から人工腎臓を作ることができて、問題はすべて解決されたはずなのだ。
 人工透析も、腎臓の移植も、必要ない。iPS細胞からつくった人工腎臓で解決するのだ。
 なのに、人類は、そのための方法を失った。笹井さんという天才を死なせたからだ。人類は、一人の天才を死なせることで、圧倒的多数の犠牲者を出すことになったのだ。そしてまた、人工透析のために、圧倒的に多額の費用を出す必要にも迫られたのだ。
 世間の人々が STAP細胞騒動でもたらした結果が、これである。むやみやたらと「正義」を唱えた結果は、多数の生命と金を奪うことになったのだ。

 
posted by 管理人 at 23:22| Comment(21) | 一般(雑学)4 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ブログ主さんは棋力低いでしょ?
申し訳ないけど、ブログを読む限り棋力の高い人の文章とは思えない。
良くて24レート1000くらい?

自分は24レート2500前後の者だけど
久保三浦戦は歩成りの局面自分なら三浦持ちです
人それぞれ大局観に種類も差もあるけれど
貴方が言う様な明らかに人間には指せない手なんてのは殆どないよ

間違っても素人が憶測で首を突っ込んではいけない
自分は正直クロかシロかは全く判断できないが貴方が書かれてる様な簡単な問題ではない
何万人もの人が見ているんだ
貴方に責任はもてるのか?
Posted by なんでも良いけど at 2016年10月15日 02:19
上の人は渡辺戦はスルーですか?
全く判断できないなら、口突っ込むのも辞めたらどうでしょうか。
一手ごとに10数分離席、その後に妙手連発、真っ白にも関わらず、濡れ衣で休む宣言。告発した5人の思惑。どう受け取ってるんですかね

三浦が白なら、告発した5人が黒。三浦が黒なら告発した5人が白。どっちかしかないんですよ。どっちも白だといいねなんていうタマムシ色みたいな立場の回答はいらない
Posted by ななし at 2016年10月15日 04:03
> 自分は24レート2500前後の者だけど
> 久保三浦戦は歩成りの局面自分なら三浦持ちです

だったらあなたは久保さんよりも大幅に棋力が上回っているということになる。それだけの自信があったら、コンピュータを使って対戦してみたら? 
その局面で、あなたが後手、先手がコンピュータ(久保さんのかわり)。それで試してご覧。たぶんボロ負けするから。強いコンピュータ将棋ぐらいもっているでしょ? 

なお、言っておくけど、「待ったなし」の完全な真剣勝負だよ。一発でもミスしたら負けだ。また、その戦いには百万円がかかっていることお忘れなく。遊びじゃないんだ。

これが賭け事だったら、あなたの勝ちに賭ける人はいないでしょうね。たいていの人がコンピュータの勝ちに賭けるはず。
Posted by 管理人 at 2016年10月15日 04:04
キリョクガーとか言う人にありがちだけど
久保三浦戦の局面だけの話ではないのよね
前々からの流れ(離席、棋士からの疑惑その他)
が元々あっての今回の話だからね

間違っても素人が憶測で首を突っ込んではいけない
のはもちろんそうだけど
今回の発端は当事者のプロ棋士だからねぇ
少なくとも今の時点では三浦を擁護できないわ

後もちろん連盟も最善手ではなかったけど
日本人特有の曖昧にすることで全員(三浦、連盟、読売)を守ろうとしてんでしょう?
今回の結論も仕方ないと思うな
Posted by こうなる前に改善はするべきだったが at 2016年10月15日 04:11
三浦さんの状況証拠については判断できませんが、初心者向けの棋譜解説のみに一言。
初心者はプロ(あるいは上級)の将棋に誤解を招くかも。序・中盤の捨て駒はプロ(ましてやA級ですよ!)なら常にアンテナを張り巡らせているでしょうし、「妙手を用意したひどく凡庸な手」を「ためる手」といい強い人の将棋には必ず出てきます。
棋譜解説以前の記事で留めていただければ結構すっきりしていたのですが。
Posted by 大橋柳雪 at 2016年10月15日 04:58
 久保戦は49と入ってから13玉と逃げた局面をよく読めば踏み切れそう。
 渡辺戦は61玉の位置が最悪だから75歩も不自然ではないし、とにかく駒を走らせればよいという局面であって、63桂成が手抜けないのも51玉のせいだから、とくに不自然さは感じませんでした。
 後、佐藤9段が以前、終盤に読み疲れて1手指すごとに窓際や隣室で寝転がって休んでいたとかいった記述を読んだことがあるので、三浦9段の言い分にもおかしくないような印象。
 けっきょくスマホ持ってうろついていたら、音がしたりポケットなどの膨らみや雰囲気で判りそうなものですが、そのような物理的な目撃証拠はないのかしらん?
 竜王だったらソフトでも何でも束になってかかってこいというくらい強いのかと思っていました。
 だからもう異種複合格闘技の電竜王戦やってほしい。
Posted by 通行人 at 2016年10月15日 05:31
正直三浦が白でも黒でも聞き取り調査の結果はグレーだったはずで
連盟にしても誤解を受ける行動は慎むように以上の話はできなかったはず
とすれば何事も無く
「疑惑の噂」のまま12月まで平常運転すればよかったのではないかと思う
「疑惑」に格上げしてしまったのは三浦と連盟のやり取りが原因

連盟にどうしても不正に関する決着しなければいけない何か
たとえば週刊誌の不正の黒い噂的な記事への対処
これが理由ならば急な展開も頷けるところなのだが
真実は?
Posted by 白黒抜きにして三浦の対応は悪手 at 2016年10月15日 06:05
急な展開もくそも、連盟としてはこれ以上動けないでしょ

最悪は5人から突き上げ食らったにも関わらず、放置して、かつ三浦が黒のケースで、さらに竜王戦優勝してしまい、その直後や現場で、さらに週刊誌などの主導で不正発覚するケース

これはもう、最悪中の最悪で、悪夢としかいいようがなく、最高級タイトルである竜王戦優勝後の不正発覚なんて絶対にあってはならないし、もしあったら一発で将棋界の伝統も威厳も何もかも即死するレベル。

証拠がないだけで状況的に恐らく黒、となった段階で、証拠不十分でも今みたいな状況にさせただろうね。
最悪の辞退だけは防ぐためにな。
決勝だけスマホ使わせなきゃ良いとかそういう問題じゃねえから。経過が黒ならもう打たせるわけにいかないんだよ。
Posted by ななし at 2016年10月15日 06:39
>「ずっと先まですべて読み切る」というコンピュータに特有の指し方だ

まずここが勘違いです。それも甚だしいレベルで。真逆と言ってもいい。良さそうな筋をずっと先までどんどん読んでいけるのはむしろ人間の特性で、現在のコンピュータ将棋ではそんな処理はしていません。「2〜3手先くらいまでで勝率の高いように思われるコマの配置を総ざらいしていく」のが今のコンピュータ将棋の基本で、そこから有力そうな手筋をどんどん読んでいく、もしくは深く読んだときのようになるように調整する。というのは現在各開発者が取り組んでいる最中の課題です。
(だからこそ人間が見落としがちな思いもよらない様な手が出てくるし、阿久津vsAWAKE戦のようなハメ手のようなものも出てくる)
そこを勘違いして御説を展開しているものだからどうも説得力を感じません。今のソフトの特性を鑑みて、もう一度検討し直していただけることを願っています。
Posted by はる at 2016年10月15日 07:33
> 「2〜3手先くらいまでで勝率の高いように思われるコマの配置を総ざらいしていく」のが今のコンピュータ将棋の基本で、そこから有力そうな手筋をどんどん読んでいく、もしくは深く読んだときのようになるように調整する

それだけだったら、何億通りにもならないでしょ。あなたの言っているのは、現在のコンピュータではなくて、16bit 時代の話だな。
Posted by 管理人 at 2016年10月15日 07:35
他のプロ棋士の証言だけで裁判勝てるの?
そんなに司法って甘いものなの?
痴漢冤罪裁判と同レベルって事かな?
Posted by 前の記事でも書いてますが at 2016年10月15日 07:59
前の記事でも書いてますが は坊やだから知らないかもしれないが、日本の裁判所は双方の言い分を細かく聞いたうえで、より蓋然性が高いと思われる点を中心に判決を下すの
分野は今回の件とは違うが、
http://www.atmarkit.co.jp/ait/series/1507/
を読んで、日本の裁判所が民事裁判でどのような点を重視して判断するかよくよく勉強してから管理人さんに突っかかってね

Posted by TRIPLE at 2016年10月15日 09:04
>はるさん

それってさ、コンピュータの次の手だけ聞いて帰った場合の話だよね?

コンピュータ使ってたら次の手の次の手も見れるよ。つまりなんても先まで何度もシミュレーションできるの。

私のいうこと間違ってるかな? 間違ってたら教えてください。
Posted by かーくん at 2016年10月15日 09:08
私が薄々思っていたことをこれほどまでに明快な文章で示して頂けると助かります。
一通り読むだけで頭の中がとてもクリアになりますね。


特に、連盟も三浦氏側もこれ以上ソフト指し疑惑の件を大事にしてくれるなという
主さんの主張には大賛成です。
「連盟が悪い!」とか「主さんは棋力が低い!」どうのこうのと難癖付けるようなクレーマーは、
いつの時代も鬱屈した暇人か、IQが低いために0か100かでしか物事を考えられないような
底辺層だと相場が決まっているようです。相手は政治家でも有名人でも
そこらの一般人でも誰だっていいのです。
とにかく落ち度のある人間を責め立てたいだけの連中にウンザリさせられることはしょっちゅうです。
橋本八段も、こうした連中と関わると貧しい波動が伝染することを察知されているのでしょうねw
問題提起後、少し間をおいてのツイート全消しは好判断だったと思います。

ただし、小さなことを大袈裟に騒ぎ立てるのが大好きな(自分の抱えている苦しみを怒りに転じて
他人にぶつけるしか快楽を感じられない不感症の)連中に対して喧嘩を売ると、
不毛な展開になりかねないので、橋本八段に限らず有名人がSNSを使う時のリスクも
検討されるべきだなと感じました。


それはさておき、三浦氏については、もう少し騒動が落ち着いた時にひょいと表舞台へ出てもらって、
潔くソフト指しをしていた事を認めて謝罪して頂きたいですね。
度量の狭い人間以外は、それで三浦氏の復帰を許すと思います。
プロ棋士とはいえ誰しも母の子ですから、気の迷いで大きな間違いを犯してしまうことも
あるでしょうが、プロ野球や大相撲の事件とは違い賭博行為や八百長などの犯罪行為は
していないわけです。警察が介入する余地もなければ、両者ともに裁判沙汰にする
メリットもないはずですよね。

むしろ今回の件を機に将棋界全体がコンピュータとの付き合い方を学ぶ
いいきっかけになったのではないでしょうか。

初動として連盟は最善を尽くしました。それに対して三浦氏は、
確かにタイトル戦出場放棄の手続きで若干対応を誤ったかもしれません。
ソフト指しを会長に指摘された瞬間の彼の気持ちは、痛いくらい察するに余るものがあります。
これまで積み上げてきたものがありますし、おいおいと自白することは難しかったのでしょう。
今は冷静さを取り戻しつつあると思いますから、弁護士の方とよく相談し、
次こそはベストの一手を刺してほしいと思います。


良記事をありがとうございました(・ω・)ノ
Posted by 平林 at 2016年10月15日 09:15
補足の件だけど、最初から全てをソフトに委ねて、相手の癖を研究して、
その癖に対してソフトが出した妙手を1個1個自分の身につけたんなら、
一致率も高い、圧倒的な将棋は打てるんじゃない?
もともと記憶力も一般人と比較にならないプロ棋士なんだし、
自分の我をかなぐり捨てれば、特定の相手に対して、
全てを「コンピュータに教えてもらった研究手だ」で押し切る事が出来た可能性の方が深刻だと思うけど
Posted by もう人間はとっくにソフトに勝てない at 2016年10月15日 10:22
ただで取られる所に駒を置くので有名なのは、中原十六世名人の5七銀がありました(中原ー米長名人戦)。
長い将棋人生のなかでも、印象に残る一手と中原名人は述べています。プロが感嘆するような手は、多々出ないものだと思います。
まして、何手か進んでから「さっきのは名手だった」と思われる手が、2つ3つあったら人知の世界では驚異でしょう。世界は違うが、アルファ碁ではずいぶんと手が進んでから「オー」と感嘆する手が多々あり、セドルさんは降参した。
Posted by senjyu at 2016年10月15日 10:39
一応気になった点を突っ込むと渡辺戦で怪しいのは中盤以降。角換わり形の後手5二金型で序盤の4五桂を指す将棋ソフトなんてありますっけ?
また後手が4四歩をついた時点で4四角成りまでは変化の余地無しの手順なんでソフトなんて使う必要なんかないです。またその局面がソフト同しだと先手が確実に勝つなら後手の渡辺さんが大悪手を指したってことですよね。そりゃ先手の完勝になりますわ。
6八玉型の桂跳ね速攻は似たような形なら三浦郷田戦で見たことあったし、序盤は全く違和感ないです。中盤はまあ、人智を超えかけてますが。
Posted by ななし at 2016年10月15日 11:23
棋譜見て指し直してみたけど、これはもう
真っ黒ですね。あからさま過ぎて言葉がでないというのが率直な感想です。

ましてやプロの人ならすぐに分かるでしょうね。

しかも、後半戦の勝負どころで相手が指すごとに退席
しているのだから言い訳のしようがないでしょう。
もうプロ棋士としての活動は無理でしょうね

Posted by ななし at 2016年10月15日 11:29
ついでに上で話してるソフトに関して、電王戦で出た2八角を回避するのに将棋ソフトひまわりは38時間回して3兆局面読んで回避できるそうです(10数手の深い読み)。当時の記憶なんですが枝切りしながら10手前後の読みを正確にしたから強くなったのがボナンザで、先の先まで読もうとするソフトはそんなに強く成れなかったという話があったはず。
Posted by ななし? at 2016年10月15日 11:37
>ただ、現実的には、「対局中にソフトを見て教えてもらった手だ」と考える方が妥当だろう。

自分はそう思いません。
使用されたとされるスマホソフトは序盤が比較的弱いとされているからです。
その上、作業させる時間も少ないですし。
馬を作るまではスマホソフトによるものではなく、PCソフトでの事前研究だったのかなと思います。

管理人さんはどのような理由で妥当と判断するのでしょうか?
Posted by 桂香好き at 2016年10月15日 11:38
> 管理人さんはどのような理由で妥当と判断するのでしょうか?

この局面を単独で見るなら、「PCで見たのだろう」と判定するでしょう。理由はそちらのおっしゃる通り。

しかし、他の局面のことがある。あちこちで不正をしているという事実(?)がある。そういう人であれば、「序盤だけはPCを使った」というよりは、「序盤からずっと不正をしていた」と見なす方が、蓋然性が高い。

だいたい、序盤で優位に立てるようにPCで研究するような研究熱心な人が、中盤以降でスマホ不正をするはずがない。もともと超優秀で序盤から優位を楽々と構築できるような人が、どうして中盤以降で不正をする必要があるんだ? 意味がないでしょう。

あとは、背理法で。または、対偶で。
Posted by 管理人 at 2016年10月15日 11:38
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