マンション工事現場から鉄パイプ落下 通行人こめかみ貫通で死亡

2016年10月15日6時0分  スポーツ報知
  • 工事現場から資材が落下し通行人に直撃した付近を調べる捜査員ら
  • 事故現場

 14日午前9時50分ごろ、東京・六本木通り沿いのマンションの工事現場から鉄パイプが落下し、近くの歩道を歩いていた新宿区の無職・飯村一彦さん(77)の頭に刺さり、貫通した。飯村さんは意識不明の状態となり、搬送先の病院で死亡が確認された。死因は脳挫傷だった。一緒に歩いていた70代の妻にけがはなかった。

 警視庁麻布署によると、マンション10階付近から落下した長さ1・8メートル、直径3センチのパイプは、飯村さんのこめかみ部分に刺さり、頭部の逆側に貫通していた。パイプはボルトで固定しやすくするために、先端が薄くなっていた。東京消防庁の救助隊が刺さった鉄パイプを切断し、病院に搬送された。

 パイプは地面に対して水平方向に頭部を貫通しており、通常の姿勢で歩行していれば考えにくい。同署では事故が起きた時の状況を確認している。

 現場は六本木交差点近くの繁華街。マンションは外壁の改修工事を終え、足場の解体作業を行っている最中だった。足場はネット状のもので覆われ、3階の高さの部分には防護パネルが取り付けられていたが、約2~3メートルのパネル未設置部分から落下したとみられる。同署では安全対策や解体手順が適切だったのか、業務上過失致死容疑で調べている。捜査関係者によると、工事関係者が「誤って鉄パイプを落とした」という趣旨の話をしているという。

鉄パイプの落下事故があったマンションの工事現場。防護パネルのない部分の路上に飯村さんは倒れていた

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